タイで行われていた二年に一度のAFCアジア女子U16大会において、日本が優勝した。
あまりマスコミが取り上げないので、私は敢えて取り上げる。よくやったと選手、監督、コーチ陣を讃えたい。
ちなみに決勝の相手は北朝鮮である。女子サッカーに馴染みのないかたには、その強さは分かりにくいと思うが、アジアでは中国と並ぶ強豪である。
澤穂希らが活躍した時期を除けば、日本女子サッカーは中国と北朝鮮に押されっぱなしであった。まず体格が違った。両国とも大柄でがっちりした体格の女子を集めてチーム作りをしていた。
これは欧米や南米の体格に勝る女性相手を想定したチーム戦略であったと思われる。しかし、日本は同じ方法をとらなかった。監督の考えや、選考された選手の質にもよるが、基本的にスピードとテクニックで戦うチームを作ってきたのが日本である。
だが日本女子サッカーは随分と苦労した。しかし、男子にも負けぬテクニックを有する澤をチームの中核に据えて、アジア大会を勝ち抜き、遂には強豪アメリカを破っての女子ワールドカップ優勝の偉業を残した。
女子サッカーの苦闘の歴史を知るものには、あの優勝は夢かと思うほどのものであった。澤や宮間、永里などあの世代には人材が揃っていた。だからこそ、澤らが代表を引退して以降、日本女子サッカーは伸び悩んだ。
当初はアメリカやイングランド、フランスなどの強豪国に苦戦する程度であった。まだ世界水準であったが、次第にアジアでも苦戦するようになっていた。試合をみても、勘所が悪いというか、苦しい時に踏ん張れない弱さが目立った。
はっきり言えば、若手への切り替えに失敗したと思う。だが、ここにきてようやく若手が育ってきた。まだ先は長いが、少しは期待がもてるようになってきた。
男子サッカーに比べ、女子サッカーはマスコミの注目度も低く、プロリーグへの関心も薄い。だが、日本女子サッカーは世界レベルでは男子よりも上位にある。ただ、日本の世情が冷淡なだけだ。
男子では久保や堂安、中島など世界に飛び出して活躍している若手が出てきたが、女子だって決して負けてはいない。北朝鮮や中国のように体格の大きさや身長に頼るのではなく、スピードとテクニックに活路を見出した日本女子サッカーに、今少し関心を持って欲しいと思います。
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