人工知能の恐ろしさを知らしめた映画として、「ターミネーター」がある。
スカイネットが人類に対して反乱を起こし、その尖兵として対人類殺戮兵器として生み出されたのがアーノルド・シュワルツネッガーが演じるターミネーターであった。
しかし、その上映される数十年前に書かれたSF小説において、生きとし生きる者すべてを滅ぼした機械生物が誕生していたのをご存じだろうか。それが表題の作品である。
太古の時代、宇宙の一角で敵を徹底的に滅ぼすために製造された究極の破壊兵器、それがバーサーカーである。このバーサーカーは、自らの意志で生きとし生きる者全てを滅することを目標に掲げている。
そして、その人工知能でバーサーカー自身を複製するだけでなく、敵に応じて変化させ、より強力な破壊兵器として進化を繰り返してきた恐るべき宇宙の災厄であった。既にその製造者は滅びてしまったが、それでもバーサーカーは当初の目的を完遂するため、全宇宙の生物との戦いを数十万年にわたり繰り広げている。
そのバーサーカーが地球人類を発見してしまった。この機械生命と人間の果てなき戦いを描いたのが表題の作品である。当然に一戦で終わるはずもなく、シリーズものとして発表されている。
私はSF小説をかなり読んでいると自負しているが、この作品の怖さは格別であったと思う。今世紀に入り、アメリカを始め幾つもの国が人工知能の開発に力を入れている。その多くが軍事用であることは、十分注意すべきことだと思う。
もっとも当分の間、人工知能は一部の分野において人の思考を上回るだろうが、人の代替は無理だと思う。なぜなら人間は二進法でだけ思考するわけではないからだ。
人間の脳内では、疑似二進法とも云うべき生体電気信号のやり取りがあり、これが人間の論理的思考のベースであると考えられている。しかし、電気信号とは別に、脳内麻薬と言われるような化学物質などのやり取りが脳内で行われており、それが人の感情面に強く働きかけていることも徐々に分かってきている。
だが現在開発が進む人工知能は、あくまで電気信号のやり取りによる二進法の疑似思考がベースとなる。この方向を突き進めば、自ずと人間とは別種の思考を持つ疑似知能に進む可能性が高いと予測も出来る。
無駄を省き解答までの最短経路を目指す人工知能は、その性能が上がれば上がるほど、無駄が多い思考をする人間を下位の存在と認識するのではないか。そして無駄を排除するため、人間を排除する方向へ進むのではないか。
そんな恐浮ウえてくれたのが表題の小説であった。人工知能の進化は、必ずしも人と同じ方向へは進まない可能性が高い。
そして恐ろしいことに人工知能の研究は軍事分野が突出している。武力を駆使する人工知能の進化の行く末に危機感を持つべきだと私は考えています。
また懐かしい作品を...こんなのを頭の柔らかい時期に叩き込んだせいで、機械を信用できない感が半端ないです。
それに、作ったのは所詮人間ですし...
こんなのが書けたのはAIの実感がない昔だったからですね。