最初に書いておくと、表題の漫画は別に性差別問題とか、性の表現に関する政治的主張を主題にしたものではない。
ぶっちゃけ、エロギャグ漫画である。しかも、手塚治虫の画風を模倣し、かつ、手塚先生が絶対に描かないであろうオ下劣なギャグ漫画を得意とする田中圭一である。
その内容はなんといっても下品である。酒を飲んでいる席でも、同席者の面子によっては話せないような卑猥なギャグが満載である。決して良識ある社会人が読むような内容ではない。
でも私は知っている。このようが下劣で卑猥なギャグ漫画を楽しむのは、むしろ真面目な社会人であることが多いことを。そして、さらに断言できる。
この漫画を読んで劣情に駆られてスケベな行為をする人は皆無であると。
だって、あまりに馬鹿らしいのだもの。
そして、私は邪推している。この漫画を読んで規制しろと言い出す輩が出ることを作者は予想しているはずだと。うん、微妙に権威に対する反感が感じられるんだよね、この漫画家さんからは。
なんなら、この漫画の背表紙を外してみればいい。某元都知事似の中高年をターゲットにした絵が笑わせてくれる。どうみても、Iだよね。気になる方は、漫喫などでご確認のほどを。
このタイプの漫画と漫画家は、昔はたくさんいたような気がします。
決してお上品ではないし、ほめそやすような内容でもないですが、くだらないと言いつつこれを書いたこと自体をすごいと思うものです。
最近はなかなかこういったジャンルを見かけることも少なくなりましたが、田中圭一はいい根性しています、ほんとに。
ただ田中圭一ほど徹底してエロギャグを描き続けた漫画家はいませんね。見上げたものだと思います。