ヌマンタの書斎

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ロングパス

2024-09-12 09:26:48 | スポーツ

さすがに驚いた。

ワールドカップ大会アジア最終予選の第二戦は、アウェイでのバーレーン戦である。バーレーンは難敵なので、この試合は見逃せないと思い、21時に就寝して25時起床してネットでの観戦である。

結果は既報のとおり5-0の圧勝である。初戦の中国戦に続く大量得点には呆れたが、実際試合を観ていた人は分かると思うが前半は激戦であった。

もし上田のPKでの先制点がなかったら、引き分けもしくは敗戦も考えられるほど前半戦は苛烈であった。でもあの暑さの中での激戦であるから、あのペースで試合が進む訳がないと思っていた。

案の定、後半は勢いが減じたバーレーンの隙をつく形で4得点である。でも闘志を失わないバーレーンの選手は疲労からプレーがラフになり、反則気味のプレーが増えた。特に伊東に蟹ばさみを掛けるような形になったプレーは本当に悪質だと思う。

ただこれは認めなければいけないが、ウズベキスタンの審判団のジャッジはかなり公正であったと思う。あの暑さの中で正確なジャッジをするのは本当に大変だと思います。でも、あれはレッドカードものだと私は思いますけどね。

私がこの試合で一番驚いたのは、後半40分の久保のプレーだ。ほぼ50メートルはあるロングパスである。遂に日本人選手もここまでレベルが上がったのかと鳥肌が立ったほどの驚きである。

ただ力任せに蹴るだけのロングキックならいくらでもある。しかし、勝利に結びつける意思を感じるロングパスを蹴れる選手は少ない。私が初めて見たロングパスは1980年代のトヨタカップだ。ジーコ率いるフラメンゴとイングランドのリバプールの試合であった。

大柄なリバプールの選手3人に囲まれながらジーコは、いきなりロングキックを蹴った。え!?と思ったら、そのボールの先にはFWのレナトがいて、その足元にピッタリとボールは収まった。この一発でリバプールの選手の足が止まり、前線への攻撃参加が激減した。正確なロングパスは相手選手の闘志をも削る。これこそ本当のキラーパスである。

後にJリーグが始まり、平塚ベルマーレに入団した中田英は、しばしばロングキックを多用したが、これを一々キラーパスだと叫ぶアナウンサーに閉口したものだ。ただの正確なロングパスに過ぎないからだ。中田は当時、一番基礎的なパスが優れたJリーガーであったと思う。でもキラーパスには遠かった。

久保のロングパスで、どうしても得点が欲しいバーレーンの選手は、このパスを恐れて守備を重視せざる得なくなった。久保はラフプレーの対象になりやすい選手だが、あの位置まで下がれば相手もそうそう削ってこれない。試合終盤での極めて効果的なプレーであったと思います。

とはいえ、最終予選はまだ序盤。有利な立場にいる日本ですが油断大敵。しっかりと勝って兜の緒を締めて欲しいと思います。


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