自治という語は少し紛らわしいが、中国の三自運動の言い方に倣って言うとこれに属すると思われる活動が進行していることに最近気づいた。教会の管理系統によらないで、熟年に達した女性会員が自主的に地道な連絡活動を続けた結果、長年教会を離れていた人たちと全く何十年振りに再会の機会(リユニオン)を持っていた。
最近気づいた二人の例は、千葉県のHS姉妹と先月逝去された神奈川県のSY姉妹の働きである。いずれの姉妹の場合も息長く、住む場所が変わっても(もちろん所属の教会管轄の区域は長年のうちに遠く隔たっても)、季節の挨拶状を送るなど連絡を取り続けて、交流を保っていた。HS姉妹は元宣教師の日本帰還を機に、筆者にとって信じられないような元会員たちとの再会を実現させていた。それは私も昔親しくしていた人々で、関西からも東京神殿別館の会場に駆けつけていた。
後者のSY姉妹はご主人と交友関係が続いていた大阪府在住の元ステーキ部長家族と連絡を取り続けていた。そのことは私にとって驚きであった。そして上記HS姉妹もこの家族を毎年訪問しているという。これらの人たちが教会に再び出席するようになるかどうかは問題ではない。心が通い、暖かい出会いができていることが、信仰から出た愛の姿ではないかと思うからである。
以上あげた例は教会の責任を越えた活動である。ホームティーチングや家庭訪問の割り当てから外れても、住む地域が変わっても、心配りをやめることなく、信仰から愛の働きかけを行っている。日本人が指示系統で上位にある指導者(地域会長[米国人]を含む)の指示によらず、自主的に信仰実践を行って実を結んでいる例の一つである。
中国の三自運動は、1 外国の宗教組織から離れて自ら信徒を牧会(教会を治めることを)し、2 経済的に自立(自養)し、3 伝道も自らすること(自伝)を目指し、その体制が全中国に及んでいると思われる。日本の末日聖徒も三番目の点で自立を求められている。年齢的に現役を離れた会員の働きが牧会の、言いかえれば会員に関心を寄せ、世話し、励まし援ける面で力を発揮していると見たので投稿した。
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