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翌日早朝。
主治医から電話が。
「今すぐ
来れますか?」
病院で主治医から説明を受ける。
今朝ベッドから起き上がろうとし
そのまま容態が急変。
延命治療に関して確認。
入院する際、本人に意思確認し
尊厳死宣言書や事前指示書を
提示していたものの
その再確認である。
主治医との話が終わっても
病室への案内はされず
何度もナースセンターへ確認。
3時間経過した頃
漸く看護師長から
「苦しんでる姿は
見せたくないから。」
彼がそう云ってたから
会わせないでいたことを
伝えられる。
今は落ち着いたからと
病室へ案内された。
彼を見た。
苦しそうな呼吸をしてる。
だけど
もっと苦しかったはず。
彼の手を握りしめ
「わかる?」
コクンと
小さく頷いた。
何度か
お水を欲しがり
飲ませてあげた。
ふと気づいた。
彼が涙してる。
ティッシュで
押さえても押さえても
止めどない。
もう旅立つ準備を
してると感じた。
突然
呼吸音が変わり
ナースコール。
看護師長がきてくれて
いろいろと対応してくれた。
でも
どんどん
バイタルが下がっていく。
「いかないでー」
って声に出してた。
とうとう
バイタルがゼロに。
心肺停止である。
無になった。
看護師長が
何か云ってた。
私はそれに
何か反応したんだろうか?
よく覚えていない。
確か
バイタルがゼロになったのは
13時前。
その2時間後に
主治医がきて
「ご臨終です。」
と告げられた。
「お世話になりました。
ありがとうございました。」
現実は
その悲しみに
浸っていられる訳には
いかなく
葬儀社や
親族等への連絡等で
慌ただしいのである。
私が
しっかりしなきゃ
しっかりしなきゃ
しっかりしなきゃ
そう頭の中で
リピートした。