夫婦でシネマ

夫婦で見た映画と、個別に見た映画について感想をかいてます。全て映画館で見た映画で、ミニシアター系の映画をたくさん紹介!

山のあなた 徳市の恋

2008年05月26日 | や行の映画
Story
新緑の季節。目の不自由な按摩の徳市(草なぎ剛)と福市(加瀬亮)が、山の温泉場に向う道を歩いている。彼らは前を歩く人間の数や性別、どこから来たかをかぎ分けられる鋭い勘の持ち主。その彼らの横を1台の馬車が駆け抜けていく。馬車には東京から来た女性・三沢美千穂(マイコ)、大村真太郎(堤真一)、真太郎の甥・研一(広田亮平)が乗っていた。徳市たちが温泉場の按摩宿泊所に落ち着くと、宿屋・鯨屋から呼び出しがかかる。徳市が療治に向うと、お客は美千穂だった(goo映画より)
2008年/日本/石井克人監督作品





評価 ★★★☆☆

今から70年前に制作された清水宏監督の『按摩と女』の完全カバー作品!

この映画、思ったよりコミカルに描かれていたのでビックリしましたね。もっと恋愛を主体とした情緒的な感じの映画なのかなと思っていたら、見事に想像を裏切ってくれたので、かえって楽しませてもらいました。
目の不自由な按摩の徳市と福市が登場するのですが、この二人のキャラクターが正反対の凸凹コンビといった感じで、二人の掛け合いがとても面白かったです。特に、草なぎ演じる徳市は、目が見えないというハンディキャップを全然感じさせない、積極的でユニークなキャラクターだったので好感が持てましたね。

徳市と福市をそれぞれ演じた草なぎ剛、加瀬亮はどちらも演技派なので、目の不自由な按摩という難役をとても自然体に演じていました。でも、それ以上に良かったのが、演技初挑戦とは思えない、宿のお客・美千穂を演じたマイコでしたね。彼女のちょっと頑な感じの喋り方は、小津映画でおなじみの原節子のように上品で、かえってほのかな色香を感じさせました。また、渋い色合いの着物がとてもよく似合っていて、徳市をはじめ、彼女と出会う男性が皆、彼女に夢中になるのが分かるくらい、とても魅力的でしたね。

この映画は、新緑の季節の温泉宿の風景がとても美しく、絵葉書を見ているような錯覚をおぼえる映画でした。また、目の不自由な主人公という設定のせいか、映像だけでなく音にもこだわりの感じられる作品で、下駄の音や雨の音、この音色たちが聴いていてとても心地良かったですね。映画を観ているだけで、温泉宿のお客と一緒に何泊か滞在しているような気持ちにもなれるので、なんだか癒される映画でもありました。
”心の入浴料”ということで、どなたでも1000円で鑑賞できるので、ちょっと得したような気持ちになる映画です。


映画『山のあなた 徳市の恋』公式サイト


(「山のあなた 徳市の恋」2008年5月 長野市 長野グランドシネマズにて鑑賞)

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 【RAMBO復活前夜祭】ランボー... | トップ | つぐない »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

や行の映画」カテゴリの最新記事