Story
人がもっとも無防備になる夢を見ている間に、潜在意識の奥深くに入り込み、貴重な情報を盗む“エクストラクト”。この危険な技術で世界最高の腕を持つ産業スパイのコブ(レオナルド・ディカプリオ)は、反対にアイデアの芽を潜在意識に植え付ける“インセプション”の依頼を受ける。このほぼ不可能とされる任務を成功させるため、コブは世界中からメンバーを厳選し、最強のプロフェッショナル集団を結成する。だが彼らがいくら周到に計画を立てようが、どれだけ優れていようが、計画を根底から揺さぶる“敵”の存在を、コブはひそかに感じ取っていた…。(goo映画より)
2010年/アメリカ/ クリストファー・ノーラン監督作品
評価 ★★★★☆
!! 結末に触れていますので、まだ観てない人は読まないで下さい!!
普通、夢のシーンを描く場合は何となくモヤモヤした景観を想像しますが、この映画では現実と変わらないリアルな世界として描写されるのが特徴です。そのリアルな世界に突然非現実的な情景が繰り広げられるのに目を奪われます。突然破裂し始める街、折れ曲がる都市、無重力で展開されるアクションなど、そのビジュアルの魅力に痺れてしまいました。
物語の展開は「メメント」もかくやというばかり複雑ですが、まずプロローグの渡辺謙の夢の中で繰り広げられるサスペンスで観客は「インセプション」基礎編を習得。ここで、夢の中で見る夢にも入り込めることを知る事が出来るわけで、これが物語全体のキーになります。
かくして、謙さんのメガネにかなったディカプリオ達は、競合企業の次期社長(キリアン・マーフィー)に企業を弱体化させる考えを吹き込め、という仕事を引き受けます。この本筋に入っての応用編では、アイディアを盗むのではなく埋め込むために、夢の中を3層下まで潜り込むこととなります。この辺の仲間を集めて作戦を立てる過程が知的でスリリング。
遂に作戦決行で、次期社長の夢に入り込むのはニュージーランド発ニューヨーク行きの飛行機の中。
ディカプリオは、過去に起こした事件が原因で米国内に足を踏み入れると逮捕されてしまうのですが、犯罪記録の抹消を取引材料にこの仕事を引き受けています。NYに到着するまでに仕事を成功させないと逮捕されてしまうという訳で、まずここでタイムリミットサスペンスの状況を設定。
遂に夢の世界。次期社長が対インセプションの訓練を受けていたために防御機能が働き、想定外の敵の襲撃を受けてしまいます。また、ディカプリオの妻(マリオン・コティヤール)の死にまつわるトラウマが思わぬ危機を招きます。
夢の中では時間が圧縮されるという、誰もが経験している事実を盛り込み、下層に行く程時間の流れが速くなるという設定も面白さに拍車をかける。土壇場で潜在意識に相当する禁断の夢の4層目までいってしまうのもだめ押しでサスペンスを盛り上げてくれます。
夢の中に入り込んでアイディアを盗む産業スパイ、という基本コンセプトに、夢の中の夢の中の夢という多重構造、時間の圧縮作用、敵の襲撃、ディカプリオのトラウマ、そしてタイムリミットの設定というギミックを破綻せずに詰め込んだのはさすが。
夢の中は何でもありだからサスペンスも盛り上がらないだろうと観る前は思っていたのですが、そんな心配もふっとびました。
最後のとどめは、無事に仕事を終え、子供達に再会を果たしたディカプリオ。これが現実であるのを確かめるためにコマを回します。果たしてコマは廻り続けるか倒れるか(倒れれば現実)、ここで私は思わず身を乗り出したのですが、なんとここで映画はジ・エンド!かくして、観客達も夢と現実の迷宮の中にたたき落とされてしまったのでした。
そんなわけで、★5つにしても良いくらい気に入りましたが、台詞による説明がちょっとこじつけめいてご都合主義的な所があるので減点。とは言え、ノーラン監督の才能が遺憾なく発揮された秀作で久しぶりにエキサイティングな鑑賞となりました。
映画『インセプション』公式サイト
(「インセプション」 2010年8月 岡谷市 スカラ座 にて鑑賞)
人がもっとも無防備になる夢を見ている間に、潜在意識の奥深くに入り込み、貴重な情報を盗む“エクストラクト”。この危険な技術で世界最高の腕を持つ産業スパイのコブ(レオナルド・ディカプリオ)は、反対にアイデアの芽を潜在意識に植え付ける“インセプション”の依頼を受ける。このほぼ不可能とされる任務を成功させるため、コブは世界中からメンバーを厳選し、最強のプロフェッショナル集団を結成する。だが彼らがいくら周到に計画を立てようが、どれだけ優れていようが、計画を根底から揺さぶる“敵”の存在を、コブはひそかに感じ取っていた…。(goo映画より)
2010年/アメリカ/ クリストファー・ノーラン監督作品
評価 ★★★★☆
!! 結末に触れていますので、まだ観てない人は読まないで下さい!!
普通、夢のシーンを描く場合は何となくモヤモヤした景観を想像しますが、この映画では現実と変わらないリアルな世界として描写されるのが特徴です。そのリアルな世界に突然非現実的な情景が繰り広げられるのに目を奪われます。突然破裂し始める街、折れ曲がる都市、無重力で展開されるアクションなど、そのビジュアルの魅力に痺れてしまいました。
物語の展開は「メメント」もかくやというばかり複雑ですが、まずプロローグの渡辺謙の夢の中で繰り広げられるサスペンスで観客は「インセプション」基礎編を習得。ここで、夢の中で見る夢にも入り込めることを知る事が出来るわけで、これが物語全体のキーになります。
かくして、謙さんのメガネにかなったディカプリオ達は、競合企業の次期社長(キリアン・マーフィー)に企業を弱体化させる考えを吹き込め、という仕事を引き受けます。この本筋に入っての応用編では、アイディアを盗むのではなく埋め込むために、夢の中を3層下まで潜り込むこととなります。この辺の仲間を集めて作戦を立てる過程が知的でスリリング。
遂に作戦決行で、次期社長の夢に入り込むのはニュージーランド発ニューヨーク行きの飛行機の中。
ディカプリオは、過去に起こした事件が原因で米国内に足を踏み入れると逮捕されてしまうのですが、犯罪記録の抹消を取引材料にこの仕事を引き受けています。NYに到着するまでに仕事を成功させないと逮捕されてしまうという訳で、まずここでタイムリミットサスペンスの状況を設定。
遂に夢の世界。次期社長が対インセプションの訓練を受けていたために防御機能が働き、想定外の敵の襲撃を受けてしまいます。また、ディカプリオの妻(マリオン・コティヤール)の死にまつわるトラウマが思わぬ危機を招きます。
夢の中では時間が圧縮されるという、誰もが経験している事実を盛り込み、下層に行く程時間の流れが速くなるという設定も面白さに拍車をかける。土壇場で潜在意識に相当する禁断の夢の4層目までいってしまうのもだめ押しでサスペンスを盛り上げてくれます。
夢の中に入り込んでアイディアを盗む産業スパイ、という基本コンセプトに、夢の中の夢の中の夢という多重構造、時間の圧縮作用、敵の襲撃、ディカプリオのトラウマ、そしてタイムリミットの設定というギミックを破綻せずに詰め込んだのはさすが。
夢の中は何でもありだからサスペンスも盛り上がらないだろうと観る前は思っていたのですが、そんな心配もふっとびました。
最後のとどめは、無事に仕事を終え、子供達に再会を果たしたディカプリオ。これが現実であるのを確かめるためにコマを回します。果たしてコマは廻り続けるか倒れるか(倒れれば現実)、ここで私は思わず身を乗り出したのですが、なんとここで映画はジ・エンド!かくして、観客達も夢と現実の迷宮の中にたたき落とされてしまったのでした。
そんなわけで、★5つにしても良いくらい気に入りましたが、台詞による説明がちょっとこじつけめいてご都合主義的な所があるので減点。とは言え、ノーラン監督の才能が遺憾なく発揮された秀作で久しぶりにエキサイティングな鑑賞となりました。
映画『インセプション』公式サイト
(「インセプション」 2010年8月 岡谷市 スカラ座 にて鑑賞)
ブログDEロードショーのお誘い、ありがとうございました。
今回も是非参加させて下さい。
かなり昔に観た時は、難しくてテーマを把握しずらかったのですが、今観てみるとどんな感想がえられるか楽しみです。
記事の紹介もありがとうございました。
これからもよろしくお願いします!
子供の顔を見れたのが現実の証かもしれないですね。
それにしても、観客をけむに巻くうまいラストでした。
お時間のある時に、どうぞ宜しくお願いします。
ちょっとご無沙汰しています☆
この映画、とっても評判が良いですネ~!
私もいつか必ず鑑賞します!!!
ところで、今月も「ブログDEロードショー」のお誘いに参りました。
作品名は「アマデウス」で、
選ばれたのは「ラジオ・ヒッチコック」のロッカリアさんです。
選んで下さった理由は
1・当初の企画「一人では見難いから皆で一緒に見ようよ」という原点回帰です。
この映画は長い(160分)ので、DVDを買ってからまだ一度も見ようとしていないから。
このような良い機会がないと、すすんで見られないので。
2・この映画を、ミュージカルだと思っている人が意外に多いので。
ようやく秋らしくなって来たので、極上のミステリーを皆さんと堪能したいから。
3・モーツァルトのお勉強にもなります。彼の人生を、映画を見ているだけで学べるから。
・・・との事です。
ご都合良かったら、来週末、是非、ご一緒に~♪
子供たちが大きくなっていないという気はしますが、子供の顔が見れたことが現実の証拠だと思います。
全米では、毎週興収は減らしているものの、10週連続でベスト10内にとどまり、3億ドル近く稼いでいます。
アメリカ以外分は「ダークナイト」とほとんど同じで、世界全体では7億5千万ドル稼ぎました。