入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

  東国へ去るヤマかっちゃんを見送る

2013年10月25日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など
 天気:曇り、気温:10度C(昼)



 1週間ほど入笠の周辺を徘徊していたヤマかっちゃんが、愈々山を去るということで挨拶をしに来た。彼はいまだにデジカメ写真を拒否する、古い時代のカメラマン。いつも犬と猫を連れ、レトルト食品頼りの厳しい予算をあれこれしてやって来る。
 彼の炭水化物(うどんと野菜)とレトルト食品を中心とした食糧計画をなじり、けなし、罵倒した手前、よく手料理をふるまった。そして、こんな山の中の生活の気散じに付き合わせてしまったが、ご苦労様でした。
 性格が元来温厚な彼が、癇癪もちで、気まぐれで、口汚い牛守相手に、ときには疲弊しながら、何年の付き合いになるのか。「百姓山勝里の芋(ひゃくせいやまかつさとのいも)」、これが当「入笠山奇人の会」が贈った彼の会員名である。
 この会の会員名はすべて頭に「百姓」が付く。ちなみに、最高顧問にして名誉会長の北原のお師匠には、「百姓一刻蓮華経」を、密かにお贈りしてある。会員はまず奇人であることが求められ、また、そうであることを自覚していなければならない。2名ばかりがその自覚に欠けたということで、厳しい査問を受けた後に退会させられた。入会は真に狭き門にして、簡単ではない。人嫌いを言いながら、廃村の奥のまた奥で暮らす某に某日電話で安否を確認したら、なんと最後に「愛が欲しい!」と本気で絶叫した。そこで、間髪を入れず「百姓山奥いつもいる」という有難い会員名が、会から与えられた。しかし、その後の彼は消息不明。
 ともかく、ヤマかっちゃんは去った。

 今日も深い霧が流れ、時折風に追われて見えてくるあたりの風景は、早くも晩秋の趣すら感じさせられて切ない。白樺の木々の黄色く色づいた葉も、いまや梢の一部を残して大方が散り、白い樹幹ばかりが目立つようになった。紅葉の森や林が霧に薄れ、滲み、秋はせっかく染め上げたその絢爛たる装いを、もう脱ぎ棄てんとしているのが分かる。

 多方面からコメントをいただきました。ありがとうございました。励みです。
 
コメント
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