入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

    ’17年「春」 (46)

2017年05月20日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 一目で、古いテントだと分かる。特に右側のテントを最後に使ったのがいつのことだったか、もう全く思い出せない。長いこと、物置小屋の前に放置したままの状態だったのを、今夜ここへ来る4人組のために持ってきた。左側のは、K氏が大切に使っていたテントでいまでも充分に役に立つが、それがどういう経路でここにあるのかは、これまた覚えていない。
 右側のテントは、3回もアラスカに行ってる。外張りに「TOKYO、JAPAN」と書いてあるのを目にして、胸が詰まるような強い感慨に襲われた。NとHと3人で、短い夜がやってくる前のひと時、氷河の上で空腹を抱えながら迎えの飛行機を幾日も待っていた日々、一人で100リッターの重いバックパックを背負い、極北の小さな町をふらついた寒い日のこと、持ち金が尽きて、ドルースの街外れの広大な湖の畔にこのテントを張って眠ろうとした夜・・・。
 そうした思い出が、まるで他人事のように感じるほど遠くへと行ってしまったことを、このかび臭い使い古しのテントが、容赦ないほど冷淡に教えてくれた。

 K氏はお目当てのチョウチョに出会えず、長野市に近い鬼無里村方面へと転進した。東京からの3人組はテイ沢からヒルデエラ(大阿原)経由で入笠山頂に登り、帰っていった。ヒガラが鳴いてる。雲ひとつない好天の一日だった。

 いい季節になります、お出掛けください。営業内容につきましては、「H29年度の営業案内」「続H29年度の営業案内」を参考にしてください。 

 
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