入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

     ’19年「夏」 (8)

2019年07月08日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 撮影の関係者や農業実習のJA職員が去り、いつもの静かな牧場に戻った。遅い昼を食べながら呟いていたら、雨の音がする。今まで堪えていた雨が、ついに耐え切れなくなって降り出したようだ。雨に濡れた単色の緑の中に、あちこちに咲くレンゲツツジのオレンジ色が映える。
 今もまだここのホトトギスはトウキョウを省略したまま、さっきまで忙し気に鳴いていたが、いつの間にか鳴くのを止めた。代わって、ホホ、ホホと低音の控え目な声が森の奥でする。ツツドリだろうか。カッコウの声もしたが、今は間の抜けたようなウグイスの声がする。今ほど木々の葉が繁茂しなかった春から初夏にかけては、今年こそは野鳥の声とその歌声の主の正体を知りたいと思っていたが、ろくに学習できずに季節は移ってしまった。それにしても、いい声をしていろいろな鳥の声が絶えない。
 雨が止んだと思ったら、今度は霧が降りてきた。鳥の声が遠ざかり、静けさが一層深まった。幾度となく目にした光景だが、見飽きない。権兵衛山はいち早く姿を隠し、その分だけ灰色の空間が広まった。ここからは見えないが入笠山と、目前の権兵衛山の鞍部は古くから「仏平」と呼ばれ、「御所平峠」に次ぐ法華道の峠だった。そうした地形のせいでだろう、霧をよく発生させる。今もゆっくりと、目の前の落葉松と白樺の林を流れていく。森厳とでも言ったら、その雰囲気が伝わるだろうか。
 午前中、第1牧区へ給塩に行った時は、霧の中を牛たちが呼び声に応えて斜面を駆け上がってきた。牛でも、あまり急な登りは好まないが、それでも塩を貰えると思いやって来るのだ。短命な牛たちのために、精一杯のことをしてやりたくなる。

 そうですね、赤羽さんの言う通りです。1週間の山の日々、5日間雨に祟られたのは7月でした。それでも暗い闇の先に小さな光を見るように(月並み)、雨の季節の終わりを少しづつ意識しています。かんとさん、お孫さんからだとそんな贈り物でも嬉しいんですね。昨日はこの呟きへの接続件数がかなり増えました。かんとさんの写真のお蔭でしょう。多謝。

I can weave you moonbeams for necklaces and rings・・・。ウーン。
 
 まだまだ夏の小屋やキャンプ場は余裕があります。予約をお待ちします。

 営業案内 「入笠牧場の山小屋&キャンプ場(1)」およびその(2)です。下線部をクリックしてご覧の上、どうぞご利用ください。

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