Photo by Ume氏
このUme氏のPH、わが時代遅れの山小屋の雰囲気を余すことなく伝えてくれている。撮影日は昨日、高遠の街中にも降雪があり、氏はそれで入笠へ今冬初の本格的な雪の景色を期待して上がったというわけ。長年、入笠の自然を撮影対象にしてきた氏らしい。
返信には「このPHでも今冬訪れる人がなかったら、冬期の営業は止めます」と書いた。これは本気。
ただし2,3日前にも呟いたことだが、この独り言を読んでくれている数多くの読者が、冬季営業は馴染の人ばかりを対象にしているのではないかと、そのように誤解されているふしがあると最近知った。もちろん、そんなことはなくて、どなたでも利用していただきたい。
それともう一つ、「酒と美味い物を持って」ということにも一言。これはあくまでも、愉しい冬の山の夜を過ごしてほしいという思いだけで、即席の食料であれ何であれそれは本人次第、もちろん酒を飲まない人には一滴でも余計な物。
大した山行でなくても冬期ともなれば、それでも食料は切り詰めたし、行動食などは1食いっしょくを計量した。とてもここで披露できるような食糧計画ではなかったが、サラミ1片、レーズンひと粒が身体に吸収されるのを実感したものだ。しかし入笠は、そこまですることはない。それよりむしろ、冬の静かな山や小屋を楽しんでください、という思いで言ったこと、ご理解いただきたい。
それと、当山小屋は管理上の理由から、飲食に関するものは頑なまでに販売してこなかった。ないわけではないが(笑)、小屋にある乏しい酒類は、食料に負けず劣らず大変に貴重。もしそれを当てにされ、在庫が切れてしまったら・・・、もう、塩の切れてしまった牛や鹿のようになってしまう。それで、つい、あんな言い方をしてしまったという次第、悪しからず。
ここは1千700メートルの山小屋で、原則飲食の提供はないし、ホテルや旅館並みのことまではできない。水汲みもある。しかしそれでも、山小屋としての任には充分に応えていると思っている。他所にはない利点だっていろいろとある。願わくば、こんな素朴な山小屋だから行ってみたいと、そう思う人がいてほしい。
冬季営業の意義は来てくれた人の満足感と笑顔。それだけだし、それがなければやらない。
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