入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

     ’20年「夏」(66)

2020年08月17日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など
 盆が過ぎた途端に、草原を渡る風にも、頭上の大きな空にも次の季節、秋の気配を感ずる。今まで北アルプスは夏雲が大方の山並みを隠していたが、きょうは御嶽山から遠く三国境まで、諧調の乏しいくすんだ青色の山肌の上に、馴染みある峰々が連なって見えていた。あれだけ雨の日ばかりが続いたせいだろう、唯一乗鞍岳だけがその裾野にわずかな雪、雪田を残すだけで、あの山々が品位とか威厳を取り戻すようになるには紅葉、そして冠雪を待たねばならないだろう。



 今朝上ってくる時は、この独り言の題名を「秋」にしようと決めていた。盆が過ぎれば夏は逝く、というのがここばかりでなく、地元の人々の大方の季節に対する捉え方だということは何度か呟いた。そのくせして、先日は盆の終わる16日と、夏休明けの小学校の二学期の始まり17日とを混同してしまって、「70年以上も生きても盆の始まりと終わりを知らなかったのか」と友人からも鋭く突っ込まれた。返す言葉もなかった。
 それはともかく、そのつもりでいたら昼近くなって気温が28度に上がった。普段なら、気温はこのくらいあっても爽涼とした風が吹くのだが、きょうは無風、この状態をあえて秋と言ってもいいのかと迷っている。因みに今の時刻は12時27分、現在の気温は少し下がって26度、ただしこれは上空の薄雲の変化次第でまだ上がるかも分からない。
 都会では、暑さと新型コロナとの闘いがまだまだ続く。



 中間検査時に上がってきた和牛3頭、他の牛の群れから離れて、相変わらず同じ白樺の林の一画にいて動こうとしない。いつまでもそうしておくわけにはいかず、塩を持って行った。しかし他の牛のように反応しない。昨日はしばらく様子を見ていたら、36番は右前足を少し痛めているのが分かった。そのせいで他の35番と37番が付き合わされているのかと思った。
 ところが、執拗なアブに襲われながらも牧場の辺鄙な場所に留まろうとしていたのは、最初にこの場所に居座りを決めた37番だった。一応、給塩後に放牧地へ誘導し、その後、帰る前ににまた様子を見にいったら、足を引き摺りながらも36番と35番は放牧地で草を食んでいたのに、37番は元いた場所から少し離れたかつてのねぐらと似た林の中にいた。この牛が問題の張本牛だったとは。
 35番と37番は措いても、足が不調な36番をどうするか、決断するまでにあまり日はない。

 本日はこの辺で。

 

 

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     ’20年「夏」(65)

2020年08月17日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 今年もオオハンゴンソウが山室川の川べりを飾っていた。外来種だと聞いているが、どんな経緯でこんな異国の山深い集落にに根付くことになったのか、それも過剰なまでに。
 ついでに言えば、写真に写っている橋を渡れば諏訪神社があり、そこが法華道の2本ある登り口のひとつ「諏訪神社口」である。何年か前、かつての住人らによって建てられた法華道の碑が、登り口で迎えてくれるはずで、その碑はこの土地で生まれ育った人々の故郷への強い愛着の証でもあろう。

 この時季、今年も主に上で暮らすようにしているが、それでも下に行く用事もあり、そうなればどちらも仮住まいのような中途半端な生活になってしまい落ち着かない。きょうはまた里に下る。せめて盆の送り火ぐらいはせよと、身内から強く言われているからだが、確かに小太郎とHALの眠る墓には足繁く通うも、どうもご先祖さまには無沙汰を決めているばかりだ。(8月16日記)
 
 そもそも古代稀なる年齢を2年も過ぎた者の一人暮らし、それも山の中、安気気楽とはいかないのも仕方ない。覚束ない頭で思考錯誤を続けるしかないだろう。きょうも、トウモロコシというものを初めて自分で茹でて食した。わが食卓にはとんとお呼びでなかった食材だが、野菜類が増えるのはいいだろうと思っている。
 山の中の暮らしと言えば、久しく会うこともなかった山奥氏ともこのごろ会話する機会があり、センセイは相変わらず怒り、不満を洩らし、そうやって人との繋がりを細くしてしまったように見える。本当に良い人だが世間を狭くしてしまい、今では病院通いも、かろうじて氏を迎えてくれる社会の狭いせまい場であるのだろう。止まれ、人のことなど言えない。

 一昨夜も期待通りの星空が拡がり、北原のお師匠ご一統様他は目にする壮大な天の川に喚声を上げていた。ご希望だった望遠鏡では土星と、火星を倍率を変えて楽しんだ。翌朝師は起き抜け早々に電話をくれて、良かったと言ってくれたが、惜しむらくはいまだに望遠鏡の扱いに習熟してない者のせいで、些かの反省が残る。
 今頃になって好天が続く。盆は営業しないつもりだったが幾組かの人が訪れ、そして帰っていった。今はここには誰もいない。
 F枝さん、先日は通信を有難う。山ばかりか星が好きなんですね。そのうち出掛けてください。

 それから大事なお知らせ。勝手ながら、今月の23日から26日までは小屋もキャンプ場も休業します。
 本日はこの辺で。きょうが日曜日であることに気付かず、沈黙すべきであったことを忘れていた。
 
 
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