あまり激しく降る雨でなければ、今の季節はきょうのような小雨混じりの気候でも趣があって悪くない。今年も長い秋を望んでいるが、季節はさらに進んだような気がする。
きょうは一年振りにさんま飯を作ることにした。購入したサンマは思っていたほど値段は高くなく、それだけに品質も良くなかった。焼け上がった姿を見たら、どんなさんま飯になることやら、再挑戦が必要になるかも知れない。
豚汁は赤羽さん手製のこだわりの味噌、香の物はおろしショウガをまぶした茄子、野菜は粉末チーズとドレッシングを加えたトマト。
そんなことはどうでもいいほど、目の前の景色が凄い。いつもなら霧は権兵衛山の方から下りてくるのに、きょうは逆方向の北から流れ始め、ついには目の前の景色を白い闇で覆い隠してしまった。それにしてもこんな夕暮れ時に、久しぶりだ。
小黒川林道の工事を終えた人たちの車だろう、何台も里へと下っていった。焼合わせのツタウルシの紅葉を見にいったH夫婦はまだ戻ってこない。きょう中に東京へ帰れればいいと言っていたから、どんな味になるのか分からないがさんま飯を食べてからになるだろう。佐藤春夫の「秋刀魚の歌」でも口ずさみながら待っていてやろう。
霧は相変わらず深い。雨も降ってきた。
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本日はこの辺で。
