本日の天気予報は終日曇り、明日の朝は雪の予報も出ている。気温もかなり低い。
きょう上に行くかどうかは先方からの連絡待ちとなり、判断は相手次第ということになった。これは来年に予定されている撮影の下見と確認のためで、せいぜい2,30分で済むと相手側は言っているが、そのためには往復3時間近くかけていくのである。道路状況によってはもっと時間がかかるかも知れない。
牧を閉じた11月19日前後でも、こういう話は他にも3件ばかりあった。しかし、結果的には流れた。1件は下見まではできて感触も良かったが、その後沙汰なし、もう1件は雪に阻まれて途中で断念となり、最後の最も期待していた1件は企画変更になってしまった。
こういうものである。特にこの時季では長年働いていて、上の気象状況もある程度は分かるつもりでいても、難しい。ましてや、つい最近まで異常気象に翻弄されていた都会に暮らす人たちの判断である、無理もない。中には、落葉松さえ知らない人たちもいるのだから。
今回の件は別にしても、そろそろ上の様子を見に行くつもりでいた。降ろさなければならない荷物がまだかなり残っているし、越年のこともある。牧を閉じたからといって、雪の融ける来春まで知らぬ存ぜぬを決めているわけではないが、そういうことを知っている人たちは少数である。
ある程度の人数、その数は相談次第として、その時だけの冬季の営業も行って、個人団体いろいろな人たちが来た。近年は忘れられたのか、ここまで足を延ばす人がすっかり減ってしまった。
1月も中旬になれば車で行くことはできなくなるから、法華道を歩いていくのは例年のことで、富士見側からゴンドラを利用して行ったこともあった。運営している富士見パノラマからは無料の利用券を渡される年もあったが、料金は支払っている。
昨年も、越年に引き続きその週末から予約が入っていて、一度は里に下りる必要があったため、再度上がる際にはゴンドラを使った。
年によっては誰も来ずに一人で越年したこともあれば、冬季の営業が期待以上の成果を収めた年もあった。そのために冬には凍結し流れが止まってしまう水を、キャンプ場の端にある取水場まで引水できるようにし、その苦労話もここでもしたし、それ以来、上に行けば一番先に水が来ているかを確認する癖までが付いた。
そういうことはみんなここで呟いて、ある種のはけ口にもしてきた。単に一牧守の詮も無い独り言に過ぎないにもかかわらず、耳を傾けてくれた多くの人たちに強く、深く感謝している。
日は雪雲に隠され、風の音が強くなってきた。まだ連絡は来ない。中止か。
本日はこの辺で、明日は沈黙します。