早春の朝の風が陋屋の中に入ってくる。長らく人工的な暖房の助けを借りて暮らしていたから、やはり、新鮮な大気が快く感じられる。山鳩もそれを喜ぶのか今朝も、ボウボウとあのくぐもった声をしばらく遠くから聞かせてくれていた。
「福島村コロナ騒動記」もたった1日で終息し、ほぼ普段の暮らしに戻りつつある。それはいいが、いったんは中止と決まったカレーライスの会もやはり復活決行することになり、この会の仕切り役を務める面々は、決断と翻意を軽業師のように見せて、病み上がりの料理役を翻弄させてくれている。
やはりカレーについてはそれぞれに一家言があり、しかも仕切り役が複数人いる上に、味についても勝手な思い込みが激しいから、簡単なことではないとは分かっている。
最初、エビを使うつもりでいたら、意外にも早々に候補から落ちて秘かに安堵した。エビはやたら手がかかるのだ。残るトリ、ウシ、ブタの3択からはブタに落ち着きヨシヨシと思ったら、ブロックは駄目だと言い出す者が出る始末。さらにはジャガイモが入らないカレーはカレーにあらずと固く信ずる者もいて、プロは使わないと拒否しようとしたら収拾がつかず、妥協案として茹でた芋を添えることにした。また、カレー用の皿という物は洋食器にはないと話したら、危うく嗤い殺されそうになる、と言った調子で、果たしてこの先どういう事になるのやら。
会の開催は明後日だが、明日のうちに準備から仕上げまで済ませて、作り置きにするつもりでいたがこの分ではそんな予定通りにいけるのか、熱がまた出てきそうだ。大半がすでに古来稀なる年齢を過ぎているはずなのに、クク。
きょうは来年度の仕事の契約をすることになっている。招かざる客covid-19に気を揉んでいる間に、牧を開く日もいつの間にか残り1ヶ月を切ってしまった。今年も、5か月の冬ごもりから、これから先の新たな日々へと気持ちを切り替えていかねばならないが、まだ遠ざかりつつある列車の後ろ姿の方が気になるといったところか。
待ち遠しかったボケの白い花がようやく咲いた。今年も一輪だけが先行したが、昨年のようにそれほど後続を待つことなく開花しそうだ。それと、先程用事で出掛ける途中で雨の中、1本の桜の花が開花した様子も目にした。
本日はこの辺で。