to be with my dogs

犬と私と羊...合言葉は「自然体」

アイデンティティ

2011年05月18日 | work

4年前まで、私は、歯科衛生士の仕事をしていました。

正確には、去年の9月まで。。。

今は、時々、フェルトや手芸を教えています。

4年前、ちょうど蒼太が我が家にやってくるのを期に、仕事を辞めることを決意しました。

でも、結局、去年の9月までは、なんとな~くすっぱりと切れずに、仕事を続けてしまいました。

何故、すっぱりと辞められなかったかと言うと、

私にとって歯科衛生士の仕事は、私のアイデンティティとも言える仕事だったから。

この仕事があったから、私自身が確立できたと言っても良いくらいです。

仕事に就く前の私は、なんともたよりなく、何事にも消極的で、覇気もなく、

目立たず、いるかいないか分からないくらい、取るに足らない、つまらない人間でした。

以前親戚にも、「お前は、何を言っても傷も付かない、つまらない子だ」と言われ、

私なりにそーとー傷ついた経験もあります。

仕事をするようになって、技術を身につければ、必要とされ、居場所がある。

これは、私にとって、物凄い力となりました。

人に信頼され、必要とされ、尊敬までされちゃうんですから。。。

私だけが持てる技術、その習得に必死になりました。

その結果、得ることができた地位は、なかなか捨てることができませんでした。

去年の9月まで、その地位にすがって生きてきました。

この歳になって、更なるアイデンティティの再構築は、ハッキリ言ってしんどいです。

仕事を辞めると決意したのは自分です。

このまま続けていたら、楽だけど、発展は無い、守りに入っている自分が嫌で、

辞めて、新しい自分の居場所を見つけたいと思った。

今ならまだ、それができる歳だと思ったから、決断したのに。

人から見れば、恵まれた職場に働き、たまたま器用だったことで、

フェルトや手芸の仕事をなんとなく始めて、、、って見えるかもしれないが、

実は、そうでも無くて、ドロドロとした葛藤があり、精神的にもつらい日々があったんです。

自分が自分でなくなってしまうって、精神的な支えを失うことでもあり、

自分を見失うって不安で、どうしょうもない自分と向き合うことだから、つらいです。

結局まる4年、捨てられなかった。。。

今でも、楽な方へ傾く気持ちが無いわけではない。

それでも、1歩づつだけど、新しい道へ進みつつ、凹みながらも、前へ進み始めた。

長くかかったけど、後戻りはもうしないだろう。たぶん。。。

 

今、震災で職を失い、家を失い、自分自身の居場所を突然奪われた人たちが

たくさん居る。

それでも前へ進まなければいけない、しっかり踏みとどまらなければいけない、

そう気を張って生きている人たちがたくさんいるのでしょう。

時に、後ろを向いて歩いていること、自分のことに精一杯で立ってることがやっとな自分に、

嫌気がさすこともあるけど、きっと、時間が必要なだけ。

たくさんの無駄に思える時間が必要なだけなんだと思います。

焦ったり、諦めたり、小さな希望に胸を膨らませたり、感謝したり、失望したり、

いろんな思いが交錯して、やっと掴める何かがあるんだと思います。

あなたが、あなたであるために。


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