4年前まで、私は、歯科衛生士の仕事をしていました。
正確には、去年の9月まで。。。
今は、時々、フェルトや手芸を教えています。
4年前、ちょうど蒼太が我が家にやってくるのを期に、仕事を辞めることを決意しました。
でも、結局、去年の9月までは、なんとな~くすっぱりと切れずに、仕事を続けてしまいました。
何故、すっぱりと辞められなかったかと言うと、
私にとって歯科衛生士の仕事は、私のアイデンティティとも言える仕事だったから。
この仕事があったから、私自身が確立できたと言っても良いくらいです。
仕事に就く前の私は、なんともたよりなく、何事にも消極的で、覇気もなく、
目立たず、いるかいないか分からないくらい、取るに足らない、つまらない人間でした。
以前親戚にも、「お前は、何を言っても傷も付かない、つまらない子だ」と言われ、
私なりにそーとー傷ついた経験もあります。
仕事をするようになって、技術を身につければ、必要とされ、居場所がある。
これは、私にとって、物凄い力となりました。
人に信頼され、必要とされ、尊敬までされちゃうんですから。。。
私だけが持てる技術、その習得に必死になりました。
その結果、得ることができた地位は、なかなか捨てることができませんでした。
去年の9月まで、その地位にすがって生きてきました。
この歳になって、更なるアイデンティティの再構築は、ハッキリ言ってしんどいです。
仕事を辞めると決意したのは自分です。
このまま続けていたら、楽だけど、発展は無い、守りに入っている自分が嫌で、
辞めて、新しい自分の居場所を見つけたいと思った。
今ならまだ、それができる歳だと思ったから、決断したのに。
人から見れば、恵まれた職場に働き、たまたま器用だったことで、
フェルトや手芸の仕事をなんとなく始めて、、、って見えるかもしれないが、
実は、そうでも無くて、ドロドロとした葛藤があり、精神的にもつらい日々があったんです。
自分が自分でなくなってしまうって、精神的な支えを失うことでもあり、
自分を見失うって不安で、どうしょうもない自分と向き合うことだから、つらいです。
結局まる4年、捨てられなかった。。。
今でも、楽な方へ傾く気持ちが無いわけではない。
それでも、1歩づつだけど、新しい道へ進みつつ、凹みながらも、前へ進み始めた。
長くかかったけど、後戻りはもうしないだろう。たぶん。。。
今、震災で職を失い、家を失い、自分自身の居場所を突然奪われた人たちが
たくさん居る。
それでも前へ進まなければいけない、しっかり踏みとどまらなければいけない、
そう気を張って生きている人たちがたくさんいるのでしょう。
時に、後ろを向いて歩いていること、自分のことに精一杯で立ってることがやっとな自分に、
嫌気がさすこともあるけど、きっと、時間が必要なだけ。
たくさんの無駄に思える時間が必要なだけなんだと思います。
焦ったり、諦めたり、小さな希望に胸を膨らませたり、感謝したり、失望したり、
いろんな思いが交錯して、やっと掴める何かがあるんだと思います。
あなたが、あなたであるために。