神風特攻隊の出撃前が蘇る場面だった。吉田(渡辺謙)が何か鼻歌を歌う。印象に残るシーンだった。
🇯🇵神風特攻隊がアメリカ海軍艦艇に衝突する瞬間。 pic.twitter.com/mL7kbyLZ6q
— Pemon🇺🇸 (@L1N7lMAIE9T2Aqm) May 25, 2024
せんべいやクラッカーなどが、いろんな場所から出てきた。そして、各々がそれらを配り始めたのだ。 「なんか食べるかって、吉田さんが言った時、あっ、俺とおんなじこと言ってる、と思ったんですよ」 伊沢は、そう言って笑った。 「中操にこもって、シーンとなった時に、私も同じことを言ったことがあるんですよ。なんか、雰囲気を変えるというか……。吉田さんが言った時、みんな、〝うおっとお〟って、そんな感じになりましたね。みんなで、あっちこっち、机とかいろいろゴソゴソ探しましたよ。非常食しかないんですけどね。飲み物は、残っていたペットボトルの水だったですね」 探しているうちに、誰かがヨウ素剤を見つけた。 「あっ、ヨウ素剤がありました」 そんな声が飛んだかと思うと、ヨウ素剤も食べ物と一緒に配られた。 「ほいっ、ほいって。何でもいいんですよ。爽やかでしたよ。みんなぐっと覚悟決めたっていう感じでしたからね。残って、シーンとなった時に、本店と喋ってるわけでもなし、ほんとに、発電所単独になった感じでね。おまえもか、みたいに、冗談言いながら、結構明るかったと思います。この後、私たちは、また中操に行くんですけど、もう、覚悟決めた人間ですから、行くのはどうということはなかったです。それより、こいつまで殺しちゃうのか、と心配しなくちゃいけない人間はみんないなくなって、〝死んでいい人間〟だけになりましたから。悲壮感っていうよりも、どこか爽やかな感じがありました」