京都大学(京大)、国立環境研究所(NIES)、東北大学、筑波大学の4者は3月27日、20年以上その正体が分からなかった、既知の分類に属さない生物由来と考えられてきたDNA配列の「持ち主」の仲間を海水中から培養することに成功し、その種が光合成生物であり、また世界中に広く分布していることを突き止め、DNAの発見者にちなんで「ラピ藻(Rappephyceae)」と命名したことを発表した。
ラピ
<研究者のコメント>
本研究で世界に先駆けて謎の微生物の正体を暴くことに成功したことを大変うれしく思います。我々が良く知っていると思いがちな「海」には、正体不明な生物や存在すら知られていない生物がまだまだ存在します。そういう未知の生物や多様性を一つずつ明らかにするという一見「古典的な」研究も面白さと発見が待っているということを知っていただければ幸いです。
<論文タイトルと著者>
タイトル:Rappemonads are haptophyte phytoplankton(ラピモナズはハプト藻類だった)
著者 :Masanobu Kawachi, Takuro Nakayama, Motoki Kayama, Mami Nomura, Hideaki Miyashita, Othman Bojo, Lesley Rhodes, Stuart Sym, Richard N. Pienaar, Ian Probert, Isao Inouye, Ryoma Kamikawa
掲載誌 :Current Biology DOI:10.1016/j.cub.2021.03.012
<お問い合わせ先>
氏名(ふりがな) 神川龍馬(かみかわりょうま)
所属・職位 京都大学大学院農学研究科・准教授
氏名(ふりがな) 河地正伸(かわちまさのぶ)
所属・職位 国立環境研究所・生物多様性資源保全研究推進室・室長
氏名(ふりがな) 中山卓郎(なかやまたくろう)
所属・職位 東北大学大学院生命科学研究科・助教
氏名(ふりがな) 野村真未(のむらまみ)
所属・職位 筑波大学生命環境系・特任助教