知床に生息するヒグマの生態は、果たして北海道内で知床以外に
生息するヒグマの生態と同じなのでしょうか?
この疑問については前回、北海道内に生息するヒグマが生息地に
よって3つに分類されることを“羆の考察⑤”取り上げましたが、
この映像だけを眺めると、知床のヒグマは他のエリアのヒグマよりも
気が優しくて穏やかな性質なのでは?思ってしまいます。
来るなぁ~と叱る大瀬さん
今年81歳になる漁師の大瀬初三郎さんは、
通りかかるヒグマに「来るな!」「(お前は)どこへ来るのよ」と
叱りつけておっぱらいます
大瀬さんがヒグマを叱ると、ヒグマはいかにも「ごめんなさ~い」
という感じで、従順に視界から消えていっています。
ここには、長年そこに住み着いているヒグマと、いつも漁場で仕事を
している漁師との間にはあきらかに特殊な関係性が成り立っているよう
に見えます
ヒグマと漁師、とりわけ大瀬さんとの間には普段から主従関係が
構築されていると考えてよいでしょう。
もちろん「叱る」方が主で「叱られる」方が従の関係です
ですが、叱る方の大瀬さんにも、叱る以外にヒグマを追いたてて、
漁師ならぬ猟師になって殺生するつもりはないことをヒグマの
方も認識しているようで、そこの間合いが微笑ましく、
ヒグマをな~んとも愛おしく思ってしまうのです
このように愛おしく思えるヒグマでも、実際に思いもせず遭遇
したら、人間はどういった行動にでるのか?です。
この番組を観た人は、「そうかぁ~ヒグマに出遭ったら、逃げずに
睨みつけて、叱りつける」のが良いのだな、と頭では理解が進む
ように思っても、いざ実際に遭遇してそんなことが出来るものなの
か?
Toshiは、先週トマム山のスキー場ゲレンデでヒグマに遭いました。
このゲレンデのもう少し下で・・・
ゲレンデ脇の草むらがザワザワと揺れ動いたと思ったら、
そこからウゴォッウゴォッと突然ヒグマが飛び出して来ました
そのヒグマは体長凡そ1m50cm?ぐらいで、子熊ではないにしろ、
小型の熊で、現れたとき瞬時に「小さい」と本能的に思ったから
なのかもしれませんが、そのヒグマに背を向けて逃げようとして
しまいました
そうして後ろを向いてからすぐに、「イカンイカン、ヒグマに背を
向けたら追ってくる」と(番組を)思い出し正面に向き直したのです。
しかし、そのヒグマはToshiの取った行動には関係なく、
最初から目を合わすつもりもなく一目散で逃げ去っていったのでした。
そのとき取った行動はとても褒められたものではありませんが、
しかし、実際にあの瞬間にヒグマと目を合わせるつもりで、
対峙できたかどうかとなると、う~ん甚だ自信がありません。
羆の考察④で、山に分け入るときには“ナタを持ち歩け”とありましたが
そんなことはなかなか出来ることではありません
Toshiが背を向けた小型のヒグマが仮に大型だったとしたら、
もしかすると振り向いて逃げることもできず、むしろ立ちすくんで
しまうことで、ヒグマと目を合わせ、また違った考えが及ぶものなの
かもしれません。
いずれにしても心の準備が果たして役立つものかどうかは、まったく、
自信なし・ということであります
ま、漁師の大瀬さんも「叱る」を実践できるまでには長い期間を
要したみたいですから、いきなり遭遇した人間のとる行動と比較は
できません
ゲレンデであっても、しっかりと鈴を鳴らすことで、ヒグマと
遭遇しない...、こちらの方が鉄則でしょう
NHKオンデマンド _ BS1スペシャル 「ヒグマを叱る男~完全版36年の記録~」<前編> .mp4 from Toshi.T on Vimeo.[49:56]
NHKオンデマンド _ BS1スペシャル 「ヒグマを叱る男~完全版36年の記録~」<後編>.mp4 from Toshi.T on Vimeo.[49:14]