“坂の上の雲”

登っていく坂の上の青い天に、もし一朶の白い雲が
輝いていてもいなくても、また坂を登っていきます。

パルスオキシメーターって

2021-06-12 | 四方山話

皆さん

今日は、ランキーパー写真から始まるブログ報告ですが、

ランではなく、ランと関わりの深いパルスオキシメーターなるもの

に関する四方山話です

 

光って見えにくいけど、パルスオキシメーターはSpO2の値“96”、脈拍122を示しています

 

パルスオキシメーターは、今や高齢者を中心に一家に1台常備が必要と

認識されるぐらいコロナ禍で関心が高まっていますね。

 

安いものはネットで2,980円程度のものから、高いものは2万円以上

するものもあります。

写真に写っているパルスオキシメーターは定価13,000円のもので、

クリニック等で扱う比較的精度の高い機種であります。

 

さて、そのパルスオキシメーターはコロナ陽性と診断され自宅待機を

余儀なくされる人や、陽性か陰性かの判断以前に高熱が出て「もしや、

コロナに罹ったのでは?」と疑心暗鬼になったとき、自身の血中酸素

濃度を測ることで自分では気が付かない肺機能の低下を知らせてくれる

というとても頼りになる機器です。

 

正確には..


皮膚を通して動脈血酸素飽和度(SpO2)と脈拍数を測定するための装置です。赤い光の出る装置(プローブ)を指にはさむことで測定します。
 肺から取り込まれた酸素は、赤血球に含まれるヘモグロビンと結合して全身に運ばれます。酸素飽和度(SpO2)とは、心臓から全身に運ばれる血液(動脈血)の中を流れている赤血球に含まれるヘモグロビンの何%に酸素が結合しているか、皮膚を通して(経皮的に)調べた値です。プローブにある受光部センサーが、拍動する動脈の血流を検知し、光の吸収値からSpO2を計算し表示します。

 

分かりやすい加藤医院のブログ解説はこちら

 


今日は、その動脈血酸素飽和度(SpO2)というものが、どのような

状況になったとき変化するものなのかに関心をもったToshiが、

毎回のようにぜーぜーはーはー言いながらランニングをする際の、

その体内酸素飽和度がどのように変わるものなのかを観察した報告なの

でした。

 

今日の記録..


1.Toshiの月寒東の自宅から東札幌までの往復12km

2.計測地点は復路の最後、12kmを走り終えてすぐ

3.ラン状況は、途中起伏がありながら・・往路が下り復路は登り

4.下りの往路も登りの復路もどちらも1km⇒5分22秒をキープ

5.平均脈拍は160前後だが最後の登りは脈拍172程度まで上がった時点からの計測

6.パルスオキシメーターは立ち止まった直後に指を差し込んでスタート

7.同時にスマホで動画を撮影する器用さを発揮(自画自賛)

8.約2分間計測後にランキーパーを完了しているので平均時速は5:32(分/km)

9.立ち止まってからの凡そ2分間は深い深呼吸で酸素を取り入れるように・・


 

はい、その結果はこのVimeo動画でね

 

210612ラン、パルスオキシメーター記録.mp4 from Toshi.T on Vimeo.[2:17]

 

いかがでしょうか、

脈拍がまだかなり高い時点で酸素飽和度(SpO2)は意外にも96程度

に戻っています。

因みに、動画のその後..脈拍115を下回った時点で97まで回復しました。

 

心肺機能の低下のバロメータは、93を下回ったら事態を注視し、90を

下回ったら危険信号とのことですが、もちろんラン途中の低下は病気で

はないので、心配なのはラン後の回復だけですね。

 

訳けあって

引き続き、パルスオキシメーターに関する記録を四方山話していきます。

為になること乞うご期待

 

 

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アイヌを知るために④

2021-05-05 | 四方山話

四方山話シリーズアイヌを知るために③「静かな大地-松浦武四郎とアイヌ民族-」(花崎皋平著)

の次は池澤夏樹著の『静かな大地』の方のご紹介です

 

池澤夏樹著の『静かな大地』はハードカバーで少し重たかった

 

中央区のさっぽろ創生スクエア(北1西1)内に出来た札幌市図書館の「情報館」は、

土日にしか動けないToshiが図書館利用するには便利な場所です。

借りたい本の予約をスマホで済ませ、情報館引き取りにしておくと平日夜8時まで

引き取りができます。

なので、通勤途中で大通りで途中下車し、地下通路を5分歩いてOK

ただし、ここに所蔵している本は閲覧のみで借りることができないので、読んで

情報を得たら、続きを読みたい本は札幌市内の何処かの図書館から取り寄せる

いうことらしい。

 

前置きついでに、でかいハードカバー本を通勤地下鉄内で読むのはけっこう

しんどいかと思いきや、字が大きいので老眼には快適でした。

 

で、

静かな大地という書名についていうと、それがアイヌ語の「アイヌ・モシリ」に

由来することを前回書きましたが、この本を読み終えて思う“静かな”とは、

和人が入植する以前の蝦夷という土地を表しているのであって、アイヌにとって

平和で住みやすい時代の大地とそれ以降の北海道を比較して表現したいために

敢えて選んだように感じます。

 

さて、小説の内容は、

幕末から明治初期にかけて、当時、全国の幕藩体制崩壊からこぼれ落ちてきた

北海道開拓の志士の新天地での暮らしが舞台になっていて、とりわけ日高、静内に

やってきた淡路洲本藩からの入植者546人の中に、アイヌ民族との共生を夢見た

純粋な二人の兄弟が居たことを描いているものです。

今日まで営々と続く日高、静内地区の軽種馬育成のはじまりが良くわかり、

牧場経営を産業として選んだことにより、日高という地に今のような北海道を代表

する風景(広大な草原に馬が跳ね回っている)ができる縁になったことを知ることが

できます。

 

日高振興局の馬文化を伝える情報サイト

 

そのことを通して、二人の兄弟の人生に大きく関わったアイヌという先住民族の

苦難に満ちた歴史を、とりわけ“アイヌからの視点”としてその心情を感じ取ることが

できるという点で面白く、なかなか日本人に真に語られない(表に出ない)、本質の

部分を知ることが出来るのは小説ならではのところです。

 

作中、冬の神威岳を登るシーンがあって未踏の同峰に気持ちが寄っていく

 

アイヌとの共生を目指して宗形牧場を発展させたのは兄の三郎で、弟の志郎は

淡路の青年時代から兄の秀でた才能に羨望をよせながらも、アイヌに肩入れする

と同じ淡路同胞との軋轢、和人からアイヌに対する差別の広がりに不安なもの

を感じながら見守っていく・・・が、

 

同じ淡路の人々の開拓の歴史を描いた(和人視点の)『北の零年』は映像だけが美しすぎてなんだかね

 

物語は志郎(弟)の娘が、時代を経て父から聞かされてきた自身のルーツへの溢れ出る

興味を抑えられず、アイヌと開拓民との関わり合いの歴史を作者自身の視点と重ねて

紐解いていくという描き方が特徴になっています。

登場人物をそれぞれ話好きな人物として描いて、あえて文字を持たない言葉の民アイヌ

代わって、その伝承を文章として紡いでいく作業に「誰かが行わなければならない」

という意思が込められているように感じます

アイヌは大廈高楼を造らず、芝居を演ずることなく、具象の絵を描かず、交響の楽を

奏しなかった。それらはすべて言葉の建築、言葉の絵、言葉の楽となった。

あ~少しだけ、アイヌの方々と気持ちが近付いた気になれたけど、民族共生とか

差別のない世界とかいうものを語るにはまだまだ自身認識が薄い気がします。

ここから先はやはり民族の末裔といわれる人達に直接お話を聴くことが良いのか?

もう少し関心の枝葉を広げてみたいと思います。

※この本を紹介してくれた山友ナジャさんに感謝します

 


次回はアイヌ語と北海道の地名についての第一人者山田秀三さんの

書き残した本を少し読んでみます。

 

このシリーズも登山と同じで自己満足の旅

自分にとって見たことのない山の景色を見ることと一緒、愛すべき北海道のこと

を知りたいという欲求の先にあることです。

アイヌを知らずしてヒグマについて語るなっって言われないように

 

それではまた次回

 

 

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アイヌを知るために③

2021-04-29 | 四方山話

四方山話シリーズアイヌを知るために②「菜の花の沖(全6巻)」

の次に読もうと決めていた本は『静かな大地』です

 

実は、間違って図書館に予約してしまった花崎皋平著の『静かな大地』

 

北海道(民)に限ったことではなく、そこに長く住んでいるからその土地のこと

よく知っているかどうかということは、実は無関係・と言わないまでも、

全く知らないまま過ごす人の方が圧倒的に多いのだと思います。

自分はこの歳になるまで、アイヌのことをほとんどよく分からないまま

北海道を語っていたことになります。

 

 

北海道命名150年ウポポイ(民族共生空間)開業という節目を2020年に

迎えたとアナウンスされても、大部分の北海道民はピンと来ていません。

いや、アイヌに詳しい知人(道外からの移住者)が言うには、北海道民こそ

が“むしろ”北海道外の人よりもウポポイに関心がないのだそうです。

 

さてこの本は、

山友ナジャさんに紹介された池澤夏樹著の『静かな大地』を選んだつもりが、

誤って図書館予約してしまって“ついでだから”と読んだものなのでした。

 

ところがところが、

その結果は池澤夏樹著の「静かな大地」をさらに面白く読むきっかけとなって、

寄り道が寄り道でなくなってしまいました

 

この本は、副題-松浦武四郎とアイヌ民族-とあるように

とにかく北海道民の父『松浦武四郎』の足跡を学ぶ上で、これほど詳しく

解説されている本はないのではと“感じ”ます。(すべてあれもこれも読み漁る

つもりは毛頭なし)

松浦武四郎の足跡をドラマ化した、嵐の松潤が演じたドラマ『永遠のニシパ』

を観ても、実際には先住民族アイヌの視点から描かれたものではないのであり、

もとより、それでは視聴率上げられないということもあって、アイヌが住んで

いた蝦夷という土地を美しく描くというところに視点が行っている“気”がしない

ではありません。

 

アイヌ民族を酷使した当時の悪政“場所請負制度”下の商場(漁場)の位置

 

この本を読むと、松浦武四郎という人の情熱が単なる探検家として、

北海道が気に入ったから詳細な調査をおこなったということではなく、

その生涯のほとんどを当時のアイヌ民族が、如何に和人からの圧政に苦しみ、

悲惨な暮らしを強いていたかを記録することに費やされていたかがわかります。

 

寛文9年(1669年)シャクシャインの戦いでは東西のアイヌが蜂起して松前和人地を攻めたが・・

 

度重なる旅の中で、アイヌと同じものを食べ、過酷な環境で野宿を繰り返し、

ある時はブヨや藪蚊に体中を凹凹にされながら苦楽を共にしたことで、

そこで生活するアイヌという民を愛し、その出会った一人ひとりのその愛す

べき姿を人別帳に記し、表向きは幕府(国)のためを装いながら、実際には

その時代下で苦しんでいるアイヌ民族を、いつの日か(自分が生きている間)

日本人全体がよく理解し、幕府の無理解や松前藩の悪行から彼らを解放する

手立てはないものかと考え抜いていた人であることが良くわかります。

まさに、本当の意味で「北海道の父」である・とそう言いたい

 

 

【本の中での備忘録】

 

私は自分自身の「差別感覚とエゴイズムの問題で悩んでおり・・花崎皋平自身

(この著者にしてこのことで悩む時期があったのか)

考えてみれば私は有珠で虚飾というものにまったく無縁な人々と出会った。

それまで私は北大教授だ進歩的学者だ、知識人だと世の肩書やレッテルを

自分に許し、それらしい外側の基準に自分を合わせるようにしてきた・・

 

アイヌがアイヌ自身の姿を保ち続けているのは、どれほど傷つけられ引き裂か

れても、どうしても捨てきることのできない民族の誇りが怒りによって支え

られているからであり・・

(先日、86歳になった倉本聰が自身が今でも現役で脚本家をやっていける原動力は何かと

訊ねられて「怒り」だと言っていた)

 

寛政元年(1789年)クナシリ・メナシの戦いはコマシャインの戦い(1457年)とシャクシャインの蜂起(1669年)に続く最後の和人に対する抵抗史

 

酒が欲しいの、ということではありません。この沢の内へ少しずつ畑をもらい

耕作して麻を作りたいのです。たとえどんなに作りたいと思っても「アイヌは

物を致すものにてなし」と運上屋(松前)がいい・・

 

吉田武三氏によれば藤田東湖に吉田松陰を引き合わせるために陰で動いたのも

松浦武四郎だった由である。

ぺ・ぺ・ツ (水量の多い川の意) ⇒ベベツ川(ベベツ岳の由来)

 

日高は宗谷に比べておだやか、畑を耕し烟草、粟、稗、隠元、蕪などを作り・・

 

日高、平取に大コタンが成立可能になったのは、狩猟意外に畑作農業が発達し

ていたことによる ⇒ 地名研究家 山田秀三氏『戊午日誌』

 

コタンの西岸への移動は幕末から明治にかけて稲作が入ってきたから。

 

私はアイヌの心というものを生きた姿で教えられた(萱野茂さんとの出会い)

 

松浦武四郎が人別帳に詳しく記述したアイヌの人々

・義勇の者45名

・老子の者22名

・長寿の者、猟の名手、困窮者、身体障害者、縊死、切腹、憤死、帰俗者

 巫者、彫刻の名人、好学の者、純朴な者、踊りの上手、ひげ自慢、馬乗りの巧者

 100余名

 

知里幸恵「アイヌ民謡集」


 

この本の巻末で帯広市出身の作家池澤夏樹が解説しています。

 

タイトルを決めあぐね、いろいろと迷ったあげく、北海道という自然を最も的確に

あらわしているのは「アイヌモシリ」を和語移した「静かな大地」が本書の題で

あることに気づいた。僕は花崎(皋平)さんにお願いして流用をお許しいただいた。

それもまた松明を次の世代へ渡すことであったと信じたい。

我々は今なお、とても多くを松浦武四郎に負っている。

 

この本を読んで僕は人に与えられた倫理的な選択の幅に圧倒させられる。

サルトルは「人間は自由という刑罰に処せられている」と言ったけれど、

その言葉とおり人は自ら道を選んで生きるしかない。極悪非道になるも聖人

になるも本人次第。それを知ったうえで選ぶ。これもまた恐ろしいことで

はないか・・


 

ということで、次回のシリーズ「アイヌを知るために④」は池澤夏樹著の方の

「静かな大地」の紹介です

 

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アイヌを知るために②

2021-04-17 | 四方山話

四方山話シリーズアイヌを知るために①に続いて、しばらく

この話題にお付き合いください

 

さて、3月になって、土日祝日以外のウィークデーに地下鉄通勤という初めて

経験をすることになりました。

このことで、登山とランニング以外の暇な時間(というか)、手持無沙汰

時間として地下鉄通勤車両内と明確な昼休みが出来たお陰で

“アイヌを知るため”の読書が進められます

 

勤め人の形態も千差万別、首都圏の通勤電車内で読書をするのは相当

難しいと思いますが、札幌の地下鉄始発駅からの乗継環境は

座れます

(加えて、札幌の人は不思議なことに席が1つ2つ空いていても座らない

、座ることが恥ずかしいという可笑しな文化が存在します)

 

ということで、アイヌを知るための旅の本の続きは

『菜の花の沖[司馬遼太郎著]です。

 

全6巻をAmazonで購入(古本1冊1~2円送料代のみ

 

「菜の花の沖」は歴史小説の大家司馬遼太郎の作品の中でも「坂の上の雲」と

ならんでつとに有名な作品であったのに、今まで読んでいなかったのは

不覚でした。

アイヌを深く知るためという切欠もありながら、Toshiの前職に関係した歴史の

勉強という意味も考えると、もっと早くに読んでおくべきだったと思います。

 

仕事の話はさておき、司馬遼太郎の歴史観の中にはやはりロシアとの関わり

合いについて深い研究と洞察が見られるところが大きな特徴であるように思います。

幕末から明治期の日本が明らかに蝦夷、北海道という辺境地を挟んで、

(鎖国から)開国に向かう必然性を高田屋嘉兵衛という淡路島出身の商人

(というよりは船乗り)を通して躍動感を持って描いています。

 

ディアナ号副船長リコルド少佐の手記に登場する高田屋嘉兵衛(タカタイ・カヒ)

ロシアという国が地図を逆さまにして日本という国をどう見ていたか、国民性

として日本人とどのような思考性の違いがあるのか、あるいは一人の人間とし

ての根源に変わりはないことなど、過去にあったゴローニン事件の前後の歴史的

事実を克明に編み込んで、隣国への理解を深めさせてくれました。

 

ロシアからみた日本

サハリンで売っていた「焼きそば弁当」(マルちゃん)は売り場で逆さに置かれていた

さて、

その中に登場するアイヌの民が日本の幕藩体制の中にあって、とりわけ松前藩

という特異な搾取体制の影響下で、歴史の流れに翻弄され、数限りない差別

合い、逃れることのできない塗炭の苦しみを味わってきたことをこの小説で

知ることができたことがなんと言っても一番の収穫です。

「是非読んでみたら」とToshiに紹介してくれたMr.Satoさんに感謝します

 

『菜の花の沖』から学んだこのとキーワードは、

・弥生時代から続く日本の農(米)本位

・農業を基本とした律令制度

・武士の成り立ちと変遷

・封禄階級社会と商人の成り立ち(扶持、村八分、国抜け)

・商い(北前船)の歴史と商品経済が持ち込んだ功罪

・鎖国が及ぼした海洋国家としての立ち遅れ

・大国ロシアの成り立ち

・アイヌについて

アイヌたちは粗放な農耕と古代的な採集生活をしていたために、近江商人

が持ち込んだ組織的な商品経済にからめとられ、自由な生活者からほどもなく

奴隷的な漁業労働者に転落した

農耕社会(和人)に比べ、土地への執着が希薄なことであった・・

地面ではなく目標(獲物)が移動すると・・

この社会は民族のすべてを統治する首領を持っていない・・

 

近江商人だけではないが、さらにその運上金をピンハネしていた松前藩の

様々な悪行と、さらにはロシアとの領土覇権を懸念して一度は直轄地とし

ものの同化政策という視点からしか蝦夷地を捉えられなかった幕府の失態が

後々どれほどアイヌの人々を苦しめたかについては、

※次回『静かな大地松浦武四郎とアイヌ民族-』(花崎皋平著)に続きます

 


ついでながら..

高田屋嘉兵衛が活躍した兵庫、大阪、そして北前船の航路であった瀬戸内一帯

から下関北辺の日本海側沿岸にかけてはToshiが若かりし頃に車で走り回った

地域なので思い入れがあります。

そして高田屋嘉兵衛の育った幕末期にかけての淡路島の様子は、タイムリーにも

エネーチケーの大河ドラマ「青天を衝け」(渋沢栄一)の舞台にもなっているので

ますます面白い

さらにさらに、次の次でご紹介する「静かな大地」(池澤夏樹著)に登場する

宗像家の人々も幕末に淡路島(洲本)から北海道静内-しずない-に移り住んだ志士の

歴史を繙く内容で、ここにも良書との出逢いの縁が続きます

 

 

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アイヌを知るために①

2021-04-10 | 四方山話

2月以降、環境が大きく変わったことで2週間ほどウィークデーに

暇な時間が出来たことは以前お伝えしました。その時間を以前から

読みたいと思っていたコミック本ゴールデンカムイ[野田サトル著]

を読むために3日間、札幌市中央図書館に通いつめました。

(もう2ケ月も経っているので遠い昔のことのようで)

 

当初は日露戦争帰りの若者を主人公にした「狩猟マンガ」として構想されたゴールデンカムイ

 

ゴールデンカムイは週刊ヤングジャンプに2014年から連載されていて、

コミックとしては25巻(2021年3月現在)までがすでに刊行されています。

Toshiはそのうち24巻までを読み終えましたが、読み始めた理由は

訳あってアイヌのことに関心を持ち始めたからです。

 

アシリパちゃんを(強いのに)可愛く描いているところがマンガの良いところ?

 

ベストセラーでありアニメにもなったのでご存じの方も多いゴールデンカムイ

は、北海道・樺太を舞台にしたアイヌを題材にした漫画ですが、野田サトル

という著者のアイヌに対する取材は、少年漫画の読み物としての域を超える

綿密さに裏打ちされているため、分かり良いだけでなく、とても為になる

アイヌ入門書となりました。

 

 

Toshiの四方山話には今後しばしば登場しますが、北海道の地名や山名の由来

とともに、少しずつでもアイヌのことを紹介していければ、登山以外でも

お楽しみいただけるかもしれません。

 

 

生まれ育った北海道の歴史についてはアイヌを知らずして語れないことを

知りました。遅ればせながらウポポイを視る前にもう少し勉強を重ねたい

と思います。

 

※次回は『菜の花の沖』(司馬遼太郎著)

 

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森と林

2020-12-04 | 四方山話

久し振りに四方山話です

 

森さんと林さんの名前の由来について、エネーチケーの番組で取り上げられていたお話を

以前ブログで書きましたね。

森と林の違いは、

森⇒神様が作ったもの

林⇒人の手で植えられたもの

だということを、Toshiだけでなく番組の出演者のほとんどが実はよく知らなかったというお話でした。

 

さて、今回はその森林について詳しく掘り下げます。

学習元は森林・林業学習館です。

 

日本の森林面積はどれだけあるのかはけっこうよく聞くお話で、分かりやすくいうと

国土全体の3分の2」らしいです

3分の2という数字については、なかなか忘れようもないほど「多いな」という感想が

瞬時に湧きますね。

これは外国と比べてもかなり高いようです。

 

日本は森林面積率が高い国の世界第2位

 

登山好きが憧れるヨーロッパアルプスの最高峰モンブランを取り囲む国の代表スイスや

イタリアは30%。フランスに至ってはランク外ということでも分かるように、

=森林などではまったくありません

 

美しさを誇っているほとんどが岩山

 

また、

世界最高峰のエヴェレストがある中国やチベットも世界平均の31%以下でランク外

ということは、森林限界を超える山ばかりが多くある国には森と林は少ないということです。

 

万年雪ばかりの山に樹木などなし

 

で、日本の森林を知るうえで驚いたことはその先からです

なんと日本の森林面積は過去40年間ほとんど変わっていないというではありませんか

「緑が少なくなった」という印象があるとすれば、それは森や林の木が少なくなったという

ことではなく、都市の公園や街路樹のことを言っているわけで、そのような場所に生えている

木々や果樹園はどうやら森林面積に含まれていないようです

 

その面積的にはほとんど変わっていない森林であっても、変わっているものがある、

それが

天然林と人工林の割合です

 

こんなに緑が沢山ある日本だけど、その森林面積の4割が人工林だというのです。

はて?

これもまたですが、4割もが人工林だって知っていた人がどれだけ居らっしゃるでしょうね?

実は日本は先進国の中でも有数の森林大国であり、その維持管理に至っても大そうな

技術立国なのだそう

 

富良野岳登頂途中の“原始ヶ原”までのアプローチ

 

そして、その歴史は1,300年以前の奈良、平安時代に遡ると言われています。

1,000年以上に渡って森林を維持・更新し続けてきた結果、凡そ4割もの森林が人工林に

なったと考えると、はぁ~歴史の長さを感じますね~

 

紅葉が美しいのはむしろ人工林の方?

 

こうして調べていくとさらに疑問が湧いてきます。

4割の森林が人工林ということは、登山で目にする森林は天然林に見えているものも、

本当はかなりの部分に人の手が入っていることになり、そうなると規則正しく植えられた

針葉樹林だけが人工林ではないってことになりませんか?

どうやら答えはそのようです

 

植林というものは苗木を綺麗に揃えて植えるだけでなく、伐採後の荒れ地に種を撒く

だけの簡単なものまで含めると、大昔に遡って何らかの人の手が加わっている森林が

多く、太古からの原生林というのはかなり少ないのだということです

 

 

北海道の人が日頃目にしている白樺林なんかは、なんと樹齢50年で立派に成長する

人の手がそれそれほど掛からない荒れ地に育つ「広葉樹のパイオニアツリー」なんて

いう風に言われているらしく、白樺林を増やすプロジェクトまであるそうです

 

 

こんなに細く「密」に「全集中」した白樺林も珍しい

 

花粉症も増えるはずですね(Toshiはシラカバとハンノキに反応しています

 

因みに、京都議定書で決められているCO2の森林吸収源として高い効果があるの

天然林ではなく人工林なのだそうです。それもブナやカエデといった広葉樹林では

なくスギやヒノキの針葉樹林の方で、樹齢10~40年の若木の成長期に特に吸収効果が大きく、

高齢木は吸収がよくないらしいのです。

まったくイメージと違いますね

 

北海道に多いトドマツ林

 

豊かな原生林は残していきたいですが、よく手入れされた人工林をバランスよく

増やしていくことこそが持続可能な地球環境には最も効果的ということ、

ガッテンして頂けましたでしょうか

 

因みに、皆さんもご存じの通り、日本の森林面積が保たれている要因の一つには

「雨が多い」という気候性もありますから、風水害に強い森林作りはそのバランス

にとってとても重要でしょう。

林業従事者の皆さん、これからも宜しくお願いします

 


【備忘録】

北海道の森林面積は、全道面積の71%にあたる554万ヘクタールで、全国の森林面積の22%を占めています。道民1人あたりでは約1ヘクタールと、全国平均の約5倍になっています。

林種別でみると、人工林が約3割、天然林が約7割を占めています。
人工林は、トドマツ(52%)、カラマツ(30%)などの針葉樹が中心で、天然林は、エゾマツ、トドマツなどの針葉樹とシナノキ、ミズナラなどの広葉樹が混じり合った「針広混交林」が広がるなどの特徴を持っており、北海道特有の雄大な景観をつくっています。
森林の伐採量は天然林は昭和36年を、人工造林は昭和44年をピークに減少を続けていましたが、近年は、輸入材の減少などから道産材の需要が増加し、木材の自給率(道産材供給率)が向上するなど、林業生産活動が活発化しつつあります。


 

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夏山ガイド

2020-07-19 | 四方山話

今さらですが、

北海道で登山を始めようという人の入門書は、

誰もが認める、梅沢俊氏が監修する『夏山ガイド』(全6巻)でしょう。

Toshiが本州勤務を終え、北海道に戻って来てからの登山でずいぶんとお世話になりました。

最近、最新版(写真左)の第3版が出版された第4巻「日高山脈の山々」

数か月前には山友のMotoさんから、これまた梅沢さん監修の『北の花名山ガイド』という本も頂きましたが、

19/11/10のブログの最後でご紹介)

直筆サイン入りを頂戴できたのはMotoさんのお陰です

さて、Toshiの登山ブログ“坂の上の雲”の仕訳も、実は今年のコロナ禍中の暇な時間を使って

「夏山ガイド」全6巻の仕訳に合わせて入れ替えをしております


道央の山

表大雪の山々

東・北大雪・十勝連峰の山々

日高山脈の山々

道南・夕張の山々

道東・道北・増毛の山々


仕訳していて気が付くことは2016年の南富良野から十勝清水に至る豪雨災害以降、

日高山脈と東大雪の山がめっきりと少ないということです。

(道南の山もなかなか札幌から遠く、向かえないのが残念です)

その豪雨被害によって寸断された日高山脈へのアプローチである林道の情報や登山道の情報を

一度リセットするため「夏山ガイド」の第4巻:日高山脈編を買い足しました

第4巻:「日高山脈の山々」の旧版

第4巻:「日高山脈の山々」の新版(第3版)

新版は、崩壊した林道や登山口情報が更新されていおり、旧版には無かった「カムイエクウチカウシ山」や

「1839峰」が載っています。

日帰り登山で登れる山を掲載していた同夏山ガイドに、登山途中の天場の情報とセットで今まで掲載の無かった

憧れの秀峰がいくつか載せられたのはうれしいですね

カムエクは夏山ガイドに登場したのはいいけれど、1970年以来の攻撃的ヒグマ出没で自粛せざるを得ないのが残念です

「1839峰」はヤオロとセットで

そしてこの度、梅沢さん、菅原さん以外の著者の一人に長谷川哲さんという方が加わっています。

岳人にはお馴染みの「山と渓谷」「岳人」といった雑誌編集に関わった人らしく、今後のご活躍が

期待されます

今回の“四方山話”は、北海道夏山の原点とも言うべき「夏山ガイド」(発行所::北海道新聞社)

のお話しでした

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分水嶺8

2020-06-28 | 四方山話

今回の四方山話は、久しぶりの「分水嶺」ネタのご紹介です

 

昨日、6月27日(土)の北海道新聞朝刊の19面に、メコン川流域の国々、

それも主に下流域でその恩恵を受けている東南アジアの国々に今、

農漁業被害が起きているという特集記事を読んでの感想です

 

インドシナ半島のメコン川流域「大規模ダム(計画を含む)」

 

ここで分水嶺ネタなので、インドシナ半島の分水嶺は何処に存在するかといことから説明すると、

それは過去に「分水嶺4」で取り上げた『世界の分水界』の地図を眺めるとよくわかります。

ミャンマーとタイの国境が分水嶺になっているらしく、

その両国の国境に高い山があるということです、どうやら。

 

インドシナ半島の紫色はすべて南シナ海(太平洋)に流れます!

 

 

さて、今回はその分水嶺の東側にあって北から南に大きく流れるメコン川について、

これまた以前「分水嶺3」で取り上げた中国の「黄河断流(こうがだんりゅう)」と同じような川の水の枯渇が

起こっているという驚くべき事実についてです。

しかし、

メコン川と聞いて、中国を思い浮かべることができる人が日本にどれだけいるでしょう?

メコン川の知識は、メコンデルタで有名なベトナム、カンボジアにひろがる広大な稲作地域で

その肥沃な土地から農漁業産物がたくさん採れて国を豊かにしているんだろうぐらいのものです。

なんと、

このメコン川は、流れ出る南シナ海から上流に遡ること、

ベトナム⇒カンボジア⇒タイ⇒ラオス⇒ミャンマー⇒中国(雲南省)となっており、

最上流域の中国に既に完成しているダムの数だけでも数十1基あって、その流量の調節弁によりまず最初に

中国がその恩恵を欲しいままにしているのです。

 

そして次に流れ着くミャンマーにはダム建設ができるような場所がそうないのか、

あるのは次の次に流れるラオスです。

ラオスはタイとの国境の半分以上がこのメコン川を境にしていて、

タイ側にもおそらくはダム建設できる場所がないのか、

その恩恵に与っていないようです。

つまり、水利権はすべてラオス側にあってダムの建設も今ある1基の他、

すでに稼働している5基に加えこの先も大小100基の建設を予定していて、

その電力をタイに売っていくらしい。

 

さらにその下流域の親中で知られるカンボジアには現在ある2基に加え1基が建設中

 

 

いずれにしても、中国と“一帯一路”で深い関係にある国にはダムの建設費を含めて配慮するものの、

敵対する国には干ばつになっても我関せずということらしい。

ここでもアメリカが衛星を使って雨季の間に中国のダムに潤沢に貯められている川の水が制限されていると結論付けている。

 

 

記事中⇒国際河川をめぐっては、アフリカのナイル川でも上流国エチオピアが中国国営企業の技術支援で大規模ダムを建設、

下流国のエジプトとの調整が難航している。

 

それにしても、Toshiが毎度驚かされるのは黄河やメコン川のような膨大な水量を枯渇(断流)させるほどの

人間の営みって「どんだけ?」って感じであります。

直接地続きでない日本は台風や豪被害の心配はあっても水が無くなる心配がないので幸せですね。

 

 

 

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“エール!”

2020-05-02 | 四方山話

毎度お馴染みエネーチケー朝の連続ドラマ小説のご紹介です

なんかいもさんかいも続く朝ドラは、この春の『エール』が102回目だそう

時代は明治から大正にかけて、福島県に生まれ育ち昭和の名音楽家と言われた「古関 裕而(ゆうじ)」

妻「内山金子(きんこ)」の一代記です

古関裕而さんの残した5000曲にも及ぶ作品は、野球小僧だったToshiにとっても聴くだけでウルウルの夏の

全国高校野球甲子園大会歌「栄冠は君に輝く」など、誰でも知っている名曲ばかり..

まさに番組名のエールにも繋がる数々の応援歌が沢山あります。

役の上での古関裕而は、古山こやま裕一ゆういち窪田くぼた正孝まさたか

そしてヒロイン役の内山金子は、関内せきうち おと二階堂にかいどうふみ

既に第5週を終えての感想は、「今回もありがとうです。

何が“ありがとう”かと言うと、

前作の「スカーレット」に劣らぬ期待感があること

某局の「やすらぎの刻(道)」が終わってしまったロス後の楽しみ

新型コロナウイルス禍渦中の光明

特には、過去の災禍「阪神大震災」後の作品わかばや東日本大震災後のあまちゃんなど、

人々が不安で打ちひしがれている時代を共に乗り切っていくときのエールに代わっていく予感があります。

“代わる”というのは、本来この102回目のエールには東京2020オリンピック開催に向けて制作された

意図があったものが、まったく違う意味で人々を応援する番組にになってしまったことを言って

おります、はい。

とにかく「ありがとう!」

Toshiは一貫してエネーチケーの番組制作スタッフを応援しています。

フレー・フレー!えねーちけー

で、最後に気になる人はこの人

主役:古山裕一のお父さん役:古山三郎役の唐沢寿明です。

彼はToshiより1つ歳下ですが、今回で連ドラ出演3作目になるようで、

昭和・平成・令和と続く三代の連ドラに出て、奥さんである山口智子とは1988年放送の純ちゃんの応援」の

共演が交際のきっかけになったようです。

歳が変わらんのになんだこの若々しさは、と正直この人は気になる存在であり大ファンであります

エール❣!唐沢寿明 from Toshi.T on Vimeo.[1:09]

コメント (2)
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JET STREAM♬

2020-04-06 | 四方山話

ジェットストリームと言えば、城達也

城達也と言えばJET STREAM♬です。

 

飛行機など乗ったこともない少年の憧れがこの時代、ラジオを聴いて初めて世界に向いていました。

 

世界にいざなわれる切欠は、兼高かおるの「世界の旅」そして、

このナレーションで心に刻まれる城達也さんがパイロットを演じる「ジェットストリーム」です。

 

 


遠い地平線が消えて深々とした夜の闇に心を休めるとき、遥か雲海の上を音もなく流れさる気流は弛みない宇宙の営みを告げています。

満天の星をいただく果てしない光の海を豊かに流れゆく風に心を開けば、煌めく星座の物語も聴こえてくる夜の静寂(しじま)のなんと饒舌なことでしょう。

光と影の境に消えていった遥かな地平線も瞼に浮かんでまいります。

日本航空が貴方にお贈りする音楽の定期便、ジェットストリーム♪

皆様の夜間飛行のお供をいたしますパイロットは私くし城達也です。


城達也さんは1995年2月、27年間パイロットを務めたこの番組のナレーションを降板した3か月後にお亡くなりになりました。

それ以降、日本航空は2010年に事実上の倒産、破綻となるなるなど、失われた20年の象徴とも言われながら復活を果たしました。

 

そして2020年3月、なんと東京FMの夜間看板番組「ジェットストリーム」のナレーション、いやパイロットに福山雅治が抜擢されました。

 

この新型コロナウイルスが世界を駆け巡るさなか、彼の番組は“知る人ぞ知る”で始まりました。

 

あの、城達也のナレーションが耳にこびりついているToshi世代にはすんなりとは受け入れ難いもの是有りですが、

hiromiちゃんがファンの福山雅治のジェットストリームも

“こんな船出だからこそ”声援を送りたいと思います。

 

日本航空もがんばれ

全日空もがんばれ

パイロットもFAの皆さんも、そして同番組もがんばれ

 

Toshiは日本のフラッグシップキャリアを応援していまっす

↓↓↓

 

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