思想は有益で快適であればよい。
地に根を下ろしながら籠を編む仕事を卑しいと見下す者もいる。
思想を使って塔をつくり、その高みから俗世を見下ろそうとする野心は、まったくない。
そんな知識はただ厄介なものなのだ。
わたしにとって健全な思想というものは、慎ましく、有益で快適であれば、それだけでいい。
ミッシェル・ド・モンテニュー
自分のイメージなど持たない方がよい。
現代では、商売をするにも相手のペルソナを確定せよ、といったイメージありき、の風潮が叫ばれている。
でもわたしは敢えて言おう。
自分についての明確な説明などしない方がよい。
そもそも自分は自分を所有などしていない。
しっかり支配できているなどと本当に思えるのか。
ミッシェル・ド・モンテニュー
自分で自分を傷つけるな
怒りや苦しみで振り上げた拳は、自分のところに戻ってくる。
私たちの魂とはこういうものだ。
日々問い続けることだ。
ミッシェル・ドモンテーニュ
モンテーニュの言葉 19
私は自分の満足を出来るだけ安い値段で買い取っている。
例えば、善いことは、人の評価でなく自分自身のため。
世間の基準に心乱されない。
世の景気にも左右されない。
誹謗されても気にしない。
ミッシェル・ド・モンテーニュ
モンテーニュの言葉 18
ソクラテスは、旅行をしたのに人生が好転した様子のないと不満を言った人に「それはそうだろう。あなたはジブラルタルを一緒に連れて行ったのだから」と答えた。
自分を鎖で繋いでどこにでも引きずっていく人たちがいる。
そんな人たちにとって、ふだんの場所からはなれることは、あまり役に立たないだろう。
本当は自分自身のあり方から離れなければならないのだ。
ミッシェル・ド・モンテーニュ