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迷走する枕茶屋

嘆きの子供部屋おばさん

どんなに拒んでも人は必ず大人になる
大人になったら 今の自分が大切にしていたものを忘れてしまう

それは社会に馴染むための儀式と言えよう

やがて好きな人ができて 結婚して
ささやかな家庭を築き
子供の世話に追われる毎日に 何かがすり減ってゆくのを感じる

やがて変わり映えのない窓の風景にも気づかなくなる

そんな時 このキラキラした幸せな頃を思い出させる為に

50年後の自分に詰め込んで送ろう



 
埋もれて忘れていた光を取り戻す為に
私はこの箱を開けるだろう




54年後…     


私はまたく変わっていなかった

この部屋も 髪型も 服のセンスも 家族も

私の子供もいない 

ずっとこの部屋で外との関わりもなく 好きな物に囲まれて
自分だけの世界に閉じこもって過ごしてきた


この箱を開けてもその空気は 懐かしさじゃない
時代に取り残された 哀れな小物たち

この子たちは私と同じだ…


そして

何もしてこなかった自分を嘆くばかり






※ 子供部屋おじさん(またはおばさん)とは、実家の子供部屋に暮らし続けている独身の中高年のことを指す日本のインターネットスラングで、独身で実家で暮らしており、自立していない事を示す。 最も子供部屋おばさんは、男性とは異なり、家事能力に長けていれば、婚活にアピール出来るチャンスはある…   が、それに比べて男性は、引きこもってネットやオタク的な趣味に明け暮れる生活に興じるので、社会的自立心が薄いので厄介だ。
2019年の流行語にも選出
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