「あれは、半地下じゃないかな?おそらく、巨大な冷凍庫でも入れるんじゃないのかな」
昨年、小田急相模原駅前の葬祭場建設現場を見た知人の一級建築士が言った。
我々は近隣住民に配布された建築図面を建築士に見てもらいながら現場を確認していた。
株主総会で、赤字に転落したサン・ライフはエンバーミング事業で盛り返すと株主に説明したとの情報を受けて、
小田急相模原駅前が遺体処理工場にならないかと近隣住民達は心配をした。
これらの心配を払拭するためにも地域住民説明会は不可欠であった。
相棒の老婆が
「エンバーミングってなんだい」
と聞いた。
遺体の腹腔から内臓物を掻き出してホルマリンを注入してまるで生きているかのように保存させる技術だと説明すると
「それは、むかし相模大野にあったね、ベトナム戦争で激しい損傷を受けた米兵の遺体が大きなプールに浮いていてさ、それらを足だの手だのどれでもいいから繋ぎあわせてさ、アメリカに送るのさ」
と老婆はいった。
一体3万円、いまなら6万円くらいのバイト料になったそうだ。
「そうかい、私のついの住みかの老人ホームの前が遺体処理工場になるのかい?」
老婆は複雑そうに言った。
問題はそれだけではない。葬祭場について日本ではきちんとした法律がない。
人は死んだら法律上、物として扱われる。だから、葬儀場内でエンバーミング処理をした血液は感染廃棄物として廃棄されない。産業廃棄扱いとなる。
このように感染廃棄物を処理する恐れのある施設のすぐ真裏に老人ホームがあること、近隣に立正保育園もあることから抵抗力の弱いお年寄りや子供達に安全性を確保できるか否かの確認が必要なのだ。
だから、協定が必要なのだ。
どうか、近隣の高齢者と子供達の安心と健康が守られますように
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