乗鞍高原・上高地情報

乗鞍高原と上高地の四季の自然の姿を現地に滞在するガイドが紹介します。

厳冬期の北アルプス・燕岳 その1 燕岳登頂編

2011-01-16 11:05:50 | 赤木淳也の山便り
今回は北アルプスの燕岳(つばくろだけ)2763mに行ってきました。
ここには厳冬期でも年末年始営業している燕山荘(えんざんそう)があります。
この燕山荘、実は私が20代前半に5年間働いていた山小屋です。
6年ぶりに古巣を訪れてきました。


朝4時半に乗鞍を出発。
駐車場出発は6時過ぎ、まだ真っ暗です。
夏は登山口まで車で行けるのですが、冬は道路が閉鎖されています。
雪の積もった道路を12km、三時間かけて歩きます。


歩き始めるとすぐに明るくなり、登山口には9時半に着きました。
ここから登山道の急登が待っています。
すぐにアイゼンを装着し、登っていきます。
この日はラッセルも無く、歩きやすい雪質でした。
アイゼンが良く効きます。夏道よりも歩きやすいぐらいです。


朝は良かった天気も、だんだんと下り坂。
森林限界を越える頃には吹雪になっていました。
稜線に出ると猛吹雪に襲われ、まつ毛も凍ります。
いつも乗鞍にいると、稜線上に出ることはあまりありません。
また行動も東斜面が多いので、猛烈な横殴りの吹雪に襲われることも少ないです。
しかし、北アルプスの稜線の西風はやっぱりいつも強烈ですね。

視界は数十mでしたが、尾根上のルート上には燕山荘スタッフによって赤旗が多く立てられています。

悪天候の中でしたが、思ったよりもずっと楽に登れました。
20代前半比べ、体力は若干落ちているはずなのですが。
しかし経験とともに、余裕が増えたのかもしれません。
若いころの様に我武者羅に突っ込むのではなく、
落ち着いて行動できる様になった分、疲れない登り方も分かってきたように思います。
ある意味、自分の成長を感じた山行でした。

 
翌日の天気は、またも悪天候。
しかし、天気が回復した隙を狙い、燕岳登頂です。
独特の花崗岩に囲まれた登山道は不思議な雰囲気です。
強い西風で岩や木にはエビの尻尾がビッチリと付いていました。

 
燕山荘は珍しくピークの上に立っています。
特に冬の朝焼けは美しく、白い雪面がすべて赤やピンク色に染まります。
残念ながら今回は朝日と夕日は見られませんでした。
しかし、北アルプスの稜線上からの景色は素晴らしいものがあります。
ここにはプロ・アマ問わず、多くの山岳写真家も訪れます。

 
三日目は朝から天気が回復。
昼前には快晴になりました。
後ろ髪を引かれる思いで下山しました。


近日中に、続きをアップします。
次回をお楽しみに。

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4 コメント

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感謝♪ (木崎のM)
2011-01-16 20:48:47
なんて素晴らしすぎる景色なんでしょう☆
ブログを読み進めるたびに画面にくぎ付け!!!つい「ウワァ~♪ウワァ~♪」と見たことのない世界に引き込まれていきました!!!
こんな素晴らしすぎる景色が日本にあるんですね♪
訪れたことはないけれど、こんな神秘的な景色が自分の住む日本にあることをとても嬉しく、誇らしく思わせてもらいました。
こんな素晴らしすぎる景色がある日本に★そしてそれを魅せてくれたJJさんに心から感謝しています♪
次回楽しみにしてまーすっ!!!!!
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すごくきれい! (アルム)
2011-01-17 01:18:51
初秋に燕岳に行って来ましたが、冬にはこんな景色なんですね。あまりのきれいさに思わずコメント入れちゃいました。
青い目もきれい!
この方はもしやヘルメットにテレマークスキーしてますか?
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美しい世界 (ジュンジュン)
2011-01-17 16:55:34
木崎のMさん、
日本の景色は本当に素晴らしいものがありますね。
海も川も町も里山も山岳も。
そして四季折々以上に、毎日違った表情を見せてくれますよ。
一日として同じ日はありません。
想像してみてください。
世界は美しいと思いませんか?
どれだけ文明が進んで自宅で情報が手に入っても、
キリっとした空気、奥行きのある展望、厚手の手袋も通す寒さ、涙も出る景色、困難の後の達成感は味わえません。
皆さん、是非感動の世界へご一緒しましょう!

今回は見れなかったのですが、朝焼けと夕焼けはさらに感動的です。
真っ白な斜面がすべてピンク色に染まります。
足の先から頭の先まで、真っ赤な世界に包まれます。

アルムさん、
私のベストパートナー・リビちゃんは青い目に黒いヘルメットでテレマークしてますね。
今度見かけたら声かけてあげてください。
最近は「短い板が欲しい!」って言ってます。
誰か165cmぐらいのテレ板売りたい人いませんか?
私は長い板が好きなのですが。
アルムさんの板も長いですよね?

アルムさんは燕岳に行ったことあるんですね。
燕岳はいつ行ってもそれぞれの良さがありますね。
初秋もきれいですが、厳冬期も美しいです。
それなりの体力と装備があれば、そんなに難しい山ではありません。
機会があれば、挑戦してみてください。
応援してます。
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やはり現場に行かなくちゃ! (PJ峰)
2011-01-18 10:45:24
JJなぜ?俺を誘ってくれない?
ベストパートナーのリビが居たからか?
(笑)

まあそれは置いておいて・・・・
自然の素晴らしさには本当にいつも驚かされる。
もちろん!危険も苦労もある!!
しかし、いつ見てもJJの言う通り「同じ景色」は決してない。
そんな繊細さに魅せられて、乗鞍に365日住むことを決意。
というか、自然に決まった・・・・

そんな365日の変化をお客さんに伝えていきたいね~
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