思い出しついでに南麻布ネタでもご披露しときます。
私も最初、このクラスの住人になるとお高くとまった‘ツン’ とした連中ばかりだと思っていました。 しかし、実際警備をしてみますととてもフレンドリーな方々が多かったのを覚えています。 大使館関係の外国人の人たちもキチンと挨拶してくれていましたし、周辺の住人の人たちもちゃんと挨拶を返してくれていました。
このクラスのお金持ちになると教養と知性も兼ね備えているのかなーと感じました。 金だけ貯まって精神面がそれに着いてきていない成金なんて、道端の人間が挨拶しても鼻も引っ掛けないでしょう。
で、本題ネタに入ります。
連日警備していたら、毎朝決まった時間に目の前の歩道を通る子供さんを連れたショートカットの美人セレブママさんとご挨拶するようになりました。 で、ある朝、子供さんを連れてこちらのゲートに来られたのです。 何だろう? と思って挨拶したら、
『お仕事中すみません。 ちょっとご相談があるんですが、実は子供が重機が大好きで、どうしても見たいというんです。 しばらくここで見ていていいですか?』
と聞かれたのですが、こういった事は施工会社の方の担当者に聞かないと私たちには判断出来なかったので、無線で聞いてみたら、『危険なのでゲート内には入れなければ、外から見てるぶんにはいいです』 という答えが返ってきたので、子供さんを見守りながら美人セレブママさんとお話しました。
どうやら、半年前ぐらいまでは “魚” が大好きで、全国の有名な水族館は殆ど連れて周ったということでした。 魚の中でも鮫系が好きで、部屋中にポスターが貼ってあったという話でした。 しかし、ある時から突然、工事用の重機に興味をもちだし、今度は重機の図鑑や模型が部屋中に溢れるようになったという話でした。
「うちの子マニアックな性格で。 魚の時は部屋中サメの写真だらけになってしまいましたのよ。 今は部屋中重機のポスターやオモチャだらけです。」
と仰っていました。 どちらかといいますとキツイ経験の方が多かった警備員でしたが、その中でも南麻布にお住まいの美人セレブママさんとお話ししたり、女子大の警備や、AKB48の警備が出来たのは貴重な経験でした。
ですが、この至福のコミニュケーション、ある時、予想もしなかったコトに役立ってくれたのです。
それは、ある日のある時、信号の変わり目をうまく利用した大型クレーンの誘導があったのです。 で、その時私はタイミングを逸して車を一台多く入れてしまい、交差点内でしばらく車を立ち往生させてしまったのです。 その後なんとか誘導してゲートへ送ったのですが、それを施工会社の担当の人が見ていたのです。
で、ツカツカとこちらに歩いて来たので、「あちゃーコレは怒られるなー」 と思って平謝り覚悟を決めたのですが、その時目の前を例の美人セレブママさんと息子さんが通ったのです。 で、私は反射的に
「あーどうもー、おはようございます。 いつもご迷惑お掛けしています。 今日は遅いですねー」 と言って手を振ったのです。
そうしましたら、『ほら、コウちゃん、ご挨拶なさい! 今日は向こうじゃなくこちらですか? いつも大変ですねー。』 と笑顔で返事が返ってきたのです。
で、私の近くに来た現場責任者の方から、次の瞬間怒られるかと思ったら、
「警備員さん! ありがとうございます。 見ていてあのケースの誘導は一人では無理です。 それよりも住人さんとのあーいったコミニュケーションを大事にして下さい。 この辺の住人さん一人を怒らせると工事そのものがストップしてしまうケースの方が遥かに怖いのです。 これからも今のようによろしくお願いします!」
と、たぶん最初は車を止められなかったのを怒るつもりで来たのが、目の前の美人セレブさん&ご子息への ‘手振り’ によって一変したようでした。 災い転じて福となす、でもないでしょうが、コミニュケーションによって助けられた事件でした。
その後もちょくちょくお見えになっていましたが、ある時
『来月から主人の仕事の関係で ‘白金台’ に引っ越しますの』
と仰っていました。
で、警備の先輩と無線でその事を話すと、
「はー南麻布から白金台へ引越しですかー。 今度はシロガネーゼ(死語)ですか。 この辺に住んでいる人には下町へ引っ越すとかいう選択肢はないんでっしょうねー」
と言ったら、
『だねー。 ご主人もたまに子供さんを連れて来るけど、この辺の住人のオーラをもっているね』
と言っていました。
最近、私の原点である宮崎に帰って来て、今までの人生を振り返っていますが、人生何事も、失敗も含めて自分で体験した経験は、後からいい思い出、財産となるなーと感じています。
これから占星学の研究があるので、本日はコレにて失礼します。
Good Night~♪