■サッカーブームに水を差した群馬県サッカー協会を舞台にした前事務局長による横領事件では、サッカー好きの子どもたちの登録料が長年にわたり食い物にされて、キャバクラなどのツケ払いに消えていたことが明らかになっています。
昨年6月の2009年度決算の監査時に、1900万円の使途不明金が発覚してから、ほぼ1年が経過して、ようやく容疑者が逮捕されましたが、これまでの経緯をみると、なぜこんなにも、真相究明や、責任の明確化が遅れたのか、極めて疑問です。
■当会では、事件が報じられてから、一貫して群馬県教育委員会にコンタクトをして、事件の内容と経過を報告してきました。その中で感じたのは、協会幹部や県の責任感の希薄なことです。
ようやく今年6月に入り、重要な動きが相次ぎました。それらについての報道記事をみてみましょう。まず、同協会が、前事務局長を相手取り、使途不明金の全額に相当する約4400万円の損害賠償請求を求めて6月6日、前橋地裁に提訴しました。
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元事務局長に四千四百万円損賠請求 県サッカー協会
県サッカー協会(谷津義男会長)で多額の使途不明金が見つかった問題で、同協会は元事務局長の男性(55)に対し、使途不明の全額に当たる約四千四百万円の損害賠償などを求め(6月6日に)前橋地裁に提訴したことが6月13日分かった。
協会によると、男性は事務局長として経理を含めた事務を担当した2004年~2010年3月、約四千四百万円を引き出し、私的に流用したとしている。
昨年6月、2009年度決算の監査で1900万円の使途不明金が発覚し、調査していた。協会に対し男性は私的流用を認め返還の意思を示していたが「返済は一切なかったため、法的手続きに踏み切った」(同協会)という。
2011年6月14日付東京新聞群馬版(※東京新聞の場合、「元」事務局長と呼んでいる)
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■続いて、昨日から今日にかけて、県警前橋署が、前事務局長を業務上横領容疑で6月15日に逮捕した、というニュースが飛び交いました。
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群馬県サッカー協会の使途不明金:運営費横領容疑、前事務局長逮捕
群馬県サッカー協会(谷津義男会長)で運営費約4400万円が使途不明になっていた事件で、県警前橋署は6月15日、同協会の前事務局長、高橋義之容疑者(55)=前橋市平和町1=を業務上横領容疑で逮捕した。
逮捕容疑は10年3月30日、高橋容疑者が、管理していた同協会の預金口座から現金20万円を引き出したとしている。同署によると、高橋容疑者は「借金の返済に充てた」と供述しているという。同協会によると、内部調査で高橋容疑者に事情を聴いたところ、使途不明金の全額を私的に流用したと認めたといい、同署が裏付けを進めている。【塩田彩】
毎日新聞 2011年6月16日 東京朝刊
県サッカー協会の使途不明金:前事務局長逮捕で会長「チェック体制に甘さ」 /群馬
県サッカー協会(谷津義男会長)で運営費約4400万円が使途不明になった事件は15日、告訴されていた前事務局長の高橋義之容疑者(55)が業務上横領容疑で前橋署に逮捕され、一つの節目を迎えた。谷津会長は「このような事件を起こし、会長として本当に申し訳ないと思っている」と述べた。
この事件を巡っては同協会の内部調査で、高橋容疑者が1人で経理を担っていたため、発覚が遅れたとされる。谷津会長は「チェック体制に甘さがあった。内部改革しなければならず、近く開かれる総会で議題にしたい」と語った。【角田直哉】
毎日新聞 2011年6月16日
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群馬県サッカー協会元事務局長、協会の資金を着服したとして逮捕
群馬県サッカー協会の元事務局長が、協会の資金を着服したとして逮捕された。
業務上横領の疑いで逮捕されたのは、群馬県サッカー協会の元事務局長・高橋義之容疑者(55)。
高橋容疑者は2010年3月、自分で管理していた協会名義の預金口座から現金20万円を引き出し、横領した疑いが持たれている。
高橋容疑者は当時、経理全般を担当していて、引き継ぎの際に着服が発覚したという。
高橋容疑者は警察の調べに対し、容疑を認め、横領した金については「借金返済に充てた」と供述しているという。
協会は、高橋容疑者に対し、不正流用があったとして、およそ4,400万円の損害賠償を求める訴訟を起こしている。
FNN 06/15 23:48
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群馬県サッカー協会前事務局長を逮捕 業務上横領容疑
群馬県サッカー協会(谷津義男会長)の現金を横領したとして、前橋署は6月15日、協会の前事務局長、高橋義之容疑者(55)=前橋市平和町1丁目=を業務上横領の疑いで逮捕した。
県警によると、高橋容疑者は昨年3月30日、協会の預金口座から20万円を引き出し、横領した疑いがもたれている。容疑を認め、「借金の返済などに充てるためだった」と話しているという。
高橋容疑者は2004~09年度に銀行預金の管理など経理業務を行っていたが、新事務局長が就任した後に使途不明金があることが発覚した。協会が特別委員会を設けて調査した結果、約4400万円が不明となっていることが分かった。協会は高橋容疑者を業務上横領容疑で前橋署に刑事告訴した。
2011年6月15日12時38分 朝日新聞
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群馬県サッカー協会前事務局長、横領容疑で逮捕
群馬県サッカー協会の前事務局長が選手の登録費などの活動資金を着服していた疑いが強まったとして、前橋署は6月15日、前事務局長の前橋市平和町、会社員高橋義之容疑者(55)を業務上横領容疑で逮捕した。
発表によると、高橋容疑者は昨年3月30日、同協会名義の預金口座から現金20万円を横領した疑い。調べに対し、高橋容疑者は「借金返済などのためにやった」と容疑を認めているという。
同協会は、高橋容疑者が在任中の2004年4月から10年3月末までの6年間に不正流用があったとして約4400万円の損害賠償を求める訴訟を6月6日に前橋地裁に起こしている。
(2011年6月15日12時32分 読売新聞)
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サッカー協会前事務局長逮捕 「借金返済」供述資金20万着服容疑
県サッカー協会(会長=谷津義男・元農相)の前事務局長が多額の協会資金を着服していた事件で、前橋署は6月15日、前事務局長の前橋市平和町、会社員高橋義之容疑者(55)を業務上横領容疑で逮捕した。
発表によると、高橋容疑者は昨年3月30日、協会名義の銀行預金口座から現金20万円を引き出して横領した疑い。調べに対し、高橋容疑者は「借金返済などのためにやった」と容疑を認めているという。同署は同様の手口の着服を繰り返していたとみて調べている。
協会は今年2月、業務上横領容疑で前橋署に告訴状を提出。今月6日には、約4400万円を着服していたとして、全額の損害賠償を求める訴訟を前橋地裁に起こしていた。
協会などによると、高橋容疑者は、6年間務めた事務局長時代に、協会の預金通帳や印鑑、キャッシュカードを1人で管理。2004年4月9日頃から10年4月2日頃までの間に、協会の複数の銀行預金口座から518回にわたり、数万円~数十万円の不正な引き出しを繰り返したとしている。協会の内部調査結果によると、着服したのは、選手登録料などの活動資金で、高橋容疑者はキャバクラなどの飲食費や消費者金融への借金返済に充てていたという。
●管理任せきり責任問う声も
県サッカー協会の谷津会長は6月15日、読売新聞の取材に対し、「申し訳ない気持ちだ。二度と起こらないようにしないといけない」と話し、すでに経理関係をはじめ全般的に機構改革に取り組んでいることを明らかにした。
協会では長年、事務局にフルタイムで勤務していたのは事務局長だけで、金銭の管理を任せきりにする状態が続いていた。
高橋容疑者の前任者も過去に同様の問題を起こしていたことを複数の幹部が証言している。元事務局長の男性は、在任中に1000万円以上の資金を着服。発覚した際、男性が協会に被害を弁済することで幕引きとし、当時の幹部の責任は問われなかったという。
協会幹部の1人は「高橋容疑者個人に責任を押しつけて解決する話ではない。幹部の監督責任を明らかにしなくては、また同じことが起きる」と怒りをあらわにした。
(2011年6月16日 読売新聞)
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県サッカー協会元事務局長を逮捕=業務上横領の疑い-群馬県警
群馬県サッカー協会(前橋市)の資金を着服したとして、県警前橋署は15日、業務上横領容疑で、同協会元事務局長の会社員高橋義之容疑者(55)=前橋市平和町=を逮捕した。同署によると、容疑を認め、「借金返済に充てた」などと話しているという。
逮捕容疑は同協会事務局長だった昨年3月30日、同市内の現金自動預払機(ATM)で、協会名義の口座から20万円を引き出し横領した疑い。
同署や協会によると、高橋容疑者は2004年4月~10年3月、事務局長として経理全般を担当していた。同年4月の引き継ぎの際に着服が発覚。協会は今年2月、同容疑者を刑事告訴したほか、約4400万円の損害賠償を求める訴訟を前橋地裁に起こしている。
(2011/06/15-13:41)時事通信社
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県サッカー協会元事務局長 横領容疑で逮捕
県サッカー協会(谷津義男会長)で多額の使途不明金が見つかった問題で、前橋署は6月15日、業務上横領容疑で元協会事務局長で前橋市平和町、会社員高橋義之容疑者(55)を逮捕した。同署によると容疑を認め「借金返済に充てるため」と話している。
逮捕容疑では、高橋容疑者は、事務局長だった昨年3月30日午前11時25分ごろ、前橋市内の金融機関の現金自動預払機で協会名義の預金口座から現金20万円を引き出し、横領したとされる。同署の調べでは、高橋容疑者は2004年4月~10年3月、事務局長を務め、預金のカネを含む経理のすべてを一人で扱っていたという。
同協会の調査では、事務局長だった6年間で約4千4百万円が使途不明になり、発覚後、協会側に私的流用を認めていた。同協会は今月、高橋容疑者を相手取って、約4千4百万円の損害賠償などを求める訴訟を前橋地裁に起こしている。
東京新聞6月16日
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■今後、この事件が送検され、前橋地検で起訴され、刑事裁判が行われ、判決が確定した場合には、この事件で登録料をネコババされたサッカーファンの皆様は、刑事記録を閲覧し、コピーすることができます。
群馬県サッカー協会の実態がどうだったのかについては、刑事記録を入手して分析すれば非常によくわかるはずです。
当会では、民事裁判の資料を入手して、事件の真相解明や責任の所在のチェックをする予定です。
【ひらく会情報部】
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県サッカー協会の使途不明金:損賠訴訟 被告に全額支払い命令被告に全額支払い命令--地裁判決 /群馬
県サッカー協会の使途不明金問題に絡み同協会が、業務上横領罪で起訴された前事務局長の高橋義之被告(55)を相手取り約4400万円の損害賠償を求めた訴訟で、前橋地裁(城内和昭裁判官)は22日、高橋被告に全額を支払うよう命じる判決を言い渡した。高橋被告が口頭弁論に出廷せず、答弁書も提出しなかったため、原告側の主張が全面的に認められた。【塩田彩】
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