どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

きき耳・・岩手

2024年11月25日 | 昔話(北海道・東北)

     岩手のむかし話/岩手県小学校国語教育研究会編/日本標準/1976年

 「ねずみ浄土」と「聞き耳頭巾」をあわせた話でしょうか。

 

 ある日のこと、貧乏な若者が、1ぴきのネズミを助けた。

 この若者がネズミにつれられていったのは、りっぱなとこで、いままでたべたこともねえ、りっぱなごっつあんをごちそうになり、かえりぎわ、けもののなき声をきき分ける箱をもらった。夢かと思ったが、手に美しい箱があった。

 クワの木の上で、二羽のカラスがなんだかいっているようなので、箱を耳にあてがってきいてみた。
 カラスがいうことには、「この国の千万長者の娘がわけのわからない病気にかかっていて、医者という医者にみせても、すこしもよくならないのは、新しく建てた部屋の下に、大きなヘビとガマガエルが、にらみあっているので、なおらない」という。

 若者はすぐ長者の家にいき、あまりにも貧乏くさくて相手にされなかったが、生きるか死ぬかのせとぎわだからと、座敷にとおされ、念仏をとなえて、床下からヘビとガマガエルをひっぱりだして、川にはなしてやると、今までねていたお姫さまが、すぐに、あくびして、むっくりおきあがった。

 このあと、若者は、長者の娘の婿になって、しあわせにくらしたという。

 

 ネズミが 何から助けられたか、また、「りっぱなとこ」は どんなとこかはまったく不明で、とんとん話が進行していきます。


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