ひとりっこのアルツハイマー介護

要介護5の父(2011他界)と人工透析でアルツハイマーの母のひとりっこ介護と、介護で自分の人生を犠牲にしないコツ

母とのお別れ、最後の一日のこと①

2020-05-19 14:53:50 | ひとりっこの気持ち
母の命が数日、もって2週間と説明された日、その翌日と翌々日のこの日。

偶然にも仕事が休みだったんです。

朝、一通りの家事を済ませて車で面会へ。

看護師さんから呼吸が荒くなったり、静かになったりを繰り返していること

人は最後にそういうように呼吸が安定しなくなって、やがて息が止まることを聞かされました。

母はときどきいびきのような呼吸になり

胸から喉のあたりに手をもっていっては、また静かに眠り続ける、そんな様子でした。

わたしは出来るだけ明るい声で話しかけ、持ち込んだカセットテープで童謡を流しました。

施設の看護師さんはひんぱんに見守りに来てくれて、

「湯たんぽ入れたら、昨日よりは手があったかくなったのよ。おとといは冷たかったからね。」

一昨日、パンパンだったむくみは治まっていました。

「お昼なのでいちど帰ります」を看護師さんに告げて部屋を出ようとしたら

母が目をあけて大きく「うーん・・・・」とうなりました。

まるで「帰らないで!!」と訴えるように。


帰宅して昼ご飯をすませ、むしょうに身体を動かしたくなって30分だけゴルフの打ちっぱなしに行きました。

そうでもしないと押しつぶされそうでした。

そしてそのあとに行ったのは本屋さん。

大きな、専門書もある書店の介護・医療専門書コーナーで「看取り」についての本を手に取りました。

人の呼吸は最後にどうなるのか。

朝、看護師さんに言われたことが気になっていたんだと思います。

もう一つ気になっていたのは、飼い猫の最期を記録した母のメモが猫の写真の裏に挟んであったのを見たから。

人間とネコは違うよね、と思いながら、あのとき猫が起き上がれなくなっても名前をよぶと尻尾を振る姿がまぶたに蘇りました。

そして、その最後をたったひとりで見守った母はどんなにつらく悲しかっただろうと。


施設に戻ると、母は午前と変わらず、苦しそうにも見えないけれど、若干喉のあたりを触る回数が増えているかなと感じました。

夫と息子二人ににLINEで連絡すると、みなが今夜なら面会に来られるということになり、

とりあえずわたしはもう一度帰宅しようと思いました。


「お母さん、後でまた来るね」と眠っている母に声をかけると、

また大きなうめき声を出しました。

「あのね、●●たちを迎えに行ってくるから。ひさしぶりに孫に会えるんだよ。待っててね!」

そういって再び車で家に向かいました。


②につづきます







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