厚生労働省は5月28日付で新型コロナウイルス感染症(COVID-19)用ワクチン接種に用いる「予診票」の様式から、「その病気を診てもらっている医師に今日の接種を受けてよいと言われましたか」という設問を削除すると、都道府県や市町村などへ事務連絡した。治療中の疾病があり、接種に不安がある場合は、接種前にかかりつけ医と相談した方が安全面などでも利点があるため設けていた設問だが、削除する理由について厚労省は、「事前に医師への問い合わせが必須であるとの誤解が生じている例がある」と説明している(新しい様式は厚労省ホームページ)。
同設問に関しては、医療機関に相談の電話が殺到するなど、医療機関側の負担になっているとの指摘があり、ワクチンの接種体制などについて検討する厚生科学審議会と薬事・食品衛生審議会の合同会議などでも、何らかの対応が必要との声が上がっていた。厚労省は同設問について5月25日付で事務連絡を発出し、「被接種者に対し、かかりつけの医師に接種の可否を必ず予め確認するよう一律に求めるものではありません」などと注意喚起していたが、設問の削除を決断した。
5月28日付の事務連絡では、予診医に対し「現在、何らかの病気にかかって、治療(投薬など)を受けていますか」の設問に「はい」と回答した接種希望者について、接種要注意者として注意事項に留意しながら接種の可否を判断するよう求めている。また、同設問を削除する前の様式を用いた予診票を接種会場等で使っても問題ないことや、予診医が接種可能と判断した場合は、かかりつけ医との相談にかかわらず接種が可能である旨も周知している(5月28日付の事務連絡全文は厚労省ホームページ)。
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