バングラディシュで、ユヌス氏が立ち上げたグラミン銀行。弱者に少額を貸して、事業支援をするマイクロ銀行と呼ばれる銀行である。担保は取らないが、借りる理由と目的が求められる。
このグラミン銀行が、アメリカのニューヨークで活躍している。世界で最も豊かな国家であるアメリカは、同時に世界3位の貧困率の高い国家でもある。ここで主に、ヒスパニック系の人たち、それもほとんどが女性である人たちに、少額の資金を貸し付けている。
女性たちは、借りる理由を明快にして5~8人ほどでお互いに、仕事内容を検証し合うことが義務付けられている。週一回程度のこの、いわば相互監視体制が彼女たちに励みを与えている。償還率は95%とのことである。
多くの女性は街角でモノ売りをやっている。着る物やちょっとしたスナックの屋台を仕事にしている。彼女たちの中には、固定した店を持つ者も出てきた。それが、相互のグループの励みになり、情報交換にもなっている。
アメリカは、強いものが勝つ社会である。弱者にとっては救済制度も薄く、こうした人たちの事業支援制度は全くない。
グラミン銀行は、今のところニューヨークだけであるが他の都市にも進出する計画を検討中である。アメリカが崩壊する時があるならば、経済的な破たんではなく、こうした弱者の反乱からではないかと思われる。
<左のフォトアルバムに”屋久島ブラリ”をアップしました>