そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

アメリカがアフガンを放棄する日

2010-01-18 | イスラエル

アフガニスタンの情勢が最悪になっている。一つは今月6日に、アフガニスタン東部のトスと市でCIA事務所が自爆攻撃をされたことである。自爆した人物は事前にメディアに顔を出している。ヨルダン人のこの男は、職員として働いていた2重スパイだったのである。これで、CIA職員が7名も死亡した。極めて、アメリカにもカルザイ政権にとってもショックな出来事である。

100118そのカルザイ大統領が提出した閣僚17名のうち、10名をアフガニスタン下院が否認した。これで何度目になるか解らないが、閣僚も決められないカルザイ政権は、汚職と選挙の不正発覚で国民の信頼を失い身動きが取れない状況である。

その世間の動きに対して、タリバンは極めて元気である。18日には首都カブールで、中央銀行などの複100118002数の拠点を持ち市街戦をやっている。政府側の被害も甚大である。単なるゲリラ攻撃でない。タリバン軍といえる攻撃である。首都機能はマヒ状況である。タリバンが犯行声明を出している。

オバマはイラクの勢力を、アフガニスタンに投入するとした選挙公約を実行している。この間の情勢分析などない。ノーベル平和賞受賞のスピーチでも彼は、増派の正当性を訴えていた。オバマの思惑とは異なり、アフガニスタンはタリバンの復活、復権で増派の意味すらなくなってきている。8年を超えるアフガン戦争は、これまでアメリカが戦ってきたあらゆる戦争で、最長のものになった。

先日当地の情勢を古くから知る、マスードの写真集で知られる長倉洋海氏が、何かいい解決策はないかとの質問に答えて「アメリカ軍が撤退することです」と明快に回答していた。いくら兵力を増やし、高性能の武器を用いても、軍事力では解決できないというのである。誰でも解る単純なことに、ノーベル平和賞を受賞したオバマ大統領が気づく日が早ければ早いほど、アフガニスタンの悲劇が早く終わることになる。

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