3月26日に起きた韓国哨戒船天安の、撃沈事件はどう見ても胡散臭い内容でいっぱいである。同日、アメリカとの合同演習していたことを、北朝鮮の攻撃だと発表したが、現場に沈んでいる(らしい)アメリカ原潜の存在については何も触れられていない。アメリカ原潜の沈没は、かん口令が引かれているようである。
ペンヨン島は平壌に170キロと最も近く、軍事的に重要なところである。ここにはアメリカ原潜が常駐しているとされている。合同演習の最中に、最新鋭の韓国哨戒船が、北朝鮮の魚雷を探知できなかったのも妙な話である。なぜソナー探知を怠ったの であろうか。それとも北には相当優秀な潜水艦があったのだろうか。仮に北の魚雷によるものだとしても、誰も水柱の上がるのを確認していない。
引き上げられた北の証拠とされている、マジックで書かれた一番の文字も錆の上に書かれているようである。北は現在一号と記載しているし、第一証拠が残るようなこ とをするわけがないと反発している。
北は、ラグーン事件や大韓航空機爆発事件のように、知らぬ存ぜぬばかりではなく、異例の記者会見を5月28日に行っている。懸命に反論する姿を見たことがない。こうした記者会見はなかったことで、北の検閲団を派遣させてくれ、国連をかいした調査をやるべきと、常日ごろアメリカの手先と非難する国連まで持ち出している。韓国はこれを拒否している。
北のものとされる魚雷についても、北の否定はかなり具体的である。魚雷の心臓部が残っているのもおかしなことである。北朝鮮は自らのためには何でもする無法者国家である。このようなことを引き起こす可能性は多分にある。しかし、今回の撃沈事件はあまりにもつじつまが合わないことが多すぎる。
辞任する鳩山も、抑止力の理由にこの事件を上げている。韓国の地方選挙が昨日行われたが、苦戦を予想されている与党にとって持って来いの材料であったはずである。にも拘らず、与党は敗北した。李明博大統領も振り上げた手の落とし所も無くなったように見える。この事件は多分に政治的に利用された感が強すぎる。