一昨日の本ブログにコメントくださった、現在就活中の「やまだ」さんのご意見が、失礼ながら新鮮である。70社受けたけど内定はまだないもないという意見で始まる。どうぞ目を通していただきたいものである。
我々の世代は、就職活動など全くなかった。私の場合でも3社受けて全て採用された。面接のために出向いた北海道からの旅費も支給された。往復である。確か9月以前には、就職活動はできなかった。夏休み明けの私の懐は潤った。卒業するまでバイトもせずに過ごせた。「やまだ」君にはすまんが、2社を蹴とばして就職したが、2年でそこも辞めた。
先日小学校の同窓会に55年ぶりに出席した。50名を少し切るクラスで大学に行ったのは、僅か3名だった。国立は私一人だった。確か大学進学率は13%程度だったと思われる。私のクラスは7%と言うところか。「やまだ」君の指摘通りに、その後大学が粗製乱造された。私学助成金と公立大学の授業料値上がりで、私学との学費差が小さくなった。当時は20倍ほどあったと思われる。大学の特徴も薄くなってきた。
無試験進学は当時もあったが、体育系大学だけでなかったかと思われる。海外遠征した選手が、自分の名前も大学名もアルファベット表現できなかった類の話は無数にあった。彼らも就職に苦労することもなかった。「やまだ」君の言われるように、大学の増設を助成した国のつけが、現在の学生に回っていることも事実であろう。
「やまだ」君たち就活に苦しむ人たちとって田舎は選択肢にないのだろうか?農業はもちろんのこと、田舎の町でちんたら安月給で暮らすのも悪くはないはずである。札幌は東京に給与の8割ほどと言われている。北海道の田舎の給与は、札幌辺りの7割程度とも言われている。しかし、年収400万程度でも200坪の土地に1000万ほどの住宅を若者たちが建てている。土地と人件費が安いのである。都会では考えられないだろう。
食いものは美味いし空気は澄んでいる。水道の水を息子たちは直接しゃぶりつて飲んでいた。「やまだ」君たちの世代が、都会志向それも大企業志向なのは解らなくもない。田舎には不安要素がいっぱいあるからだ。田舎には大きな企業はない。求人率も相当低い。しかし、それこそ自分を発揮できるチャンスなのだと思うこともできる。従うものがないのである。
都会からこの地に来られている方は少なくはない。農業に従事している方もいれば、山ばかり登っている人もいる。酪農ヘルパーをしながら絵を描いている人も写真を撮り続けている人も知っている。10年ほど前に、1人で小さな会社を作った後輩は、10人程度の社員を今は抱えている。都会は人の個性や人間関係まで呑み込んでしまう。自らの経験を踏まえて、田舎は自分を発揮するいい場所だと思うのである。誰かに依りかかるばかりの就活から脱却することも感がてみてはどうか。