ドーハで開催されているCOP18(地球温暖化対策を話し合う国連気候変動枠組み条約締約国会議)であるが、相変わらず京都議定書を越えることはできない。中国とインドそれにアメリカが身勝手なことを言って、CO2の排出量の削減が遅々として進まない。
北朝鮮に国際化を促す資格は、中国はもちろんアメリカにもない。
その一方で、排出されたCO2をもっと多く吸収しているのが海洋であるが、そのためにPHの低下、酸性化が留まることがないようである。数年前から指摘されていたが、かなり深刻になっているようである。
次の表は東経137度を、名古屋沖から南へ北緯32度辺りから12度までの海洋のPHを測った、筑波大学濱教授の観察データーである。(クリックすると大きくなります)
左の表は、2年前のPHのそのままの数字である。正常では8.1というのであるが、はるか南洋でしか正常な値がないと言える。深いところでは酸性が強く空気中の影響を受けないとされていた。
この表は、上の同じ海洋の断面を1994年と比較したものである。古いデーターは実測ではなく、資料からの推定であるが大きな差異はない。赤く濃いいところほど酸性化が進んでいることを表している。全体の酸性化の進行が見て取れる。
海洋は人が経済活動で生み出した、CO2の半分ほどを吸収してくれるところである。それは海洋生物が、取り込んだCO2から炭酸カルシュウムを生産して体を作るからである。
大きなところでは蟹など甲殻類や貝、更にはサンゴも身体づくりに取り込んでくれる。プランクトンも、大量の炭酸カルシュウムの生産をする。
ところが、大量のCO2を取り込むことで、海洋が酸性化して炭酸カルシュウムの生産ができなくなってしまうようになる。海の生態系が壊れてしまうことが予測されれる。多くの海洋動物が、炭酸カルシュウムを巧みに利用している。酸性化で石灰化の阻害が起きるのである。
しかも地上と異なり、全く打つ手がない状況である。日本は総選挙の真っ最中であるが、地球温暖化について公約で述べている党は、民主党が当初の計画を下げて、出しているに過ぎない。日本の政治家は、この深刻な海洋の酸性化について、何にも考えていない。