そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

デフレの元凶は派遣法である

2014-11-10 | 政治と金
安倍政権は、デフレ脱却を最大の目玉として経済対策をやっている。アベノミクスなる、いい加減で耳当りのいい言葉をどこからか見つけてきたが、実態は金融バブルを煽り公共投資を行う、イカサマの成長線戦略であることが判ってきた。
デフレが悪いかどうかは、政治家や経済学者のお好みであって、恰好が悪いからインフレにしたいだけである。資源も地球も有限である限り、いつまでも成長するはずがない。里山資本主義ではないが、インフレには今を大事にする発想がない。環境を守る思想がない。インフレは環境を食い潰しながら成長する。今より明日がよくなるのは、お金の問題ではない。明日はもっと良くなるのは、収入が増えることを意味するのではない。
そもそも、デフレの原因は日本のGDPの半数を占める、消費動向が鈍ったからに他ならない。消費動向が鈍ったのは、労働者の賃金が減ったからである。
労働者の賃金を減らしたのは、まぎれもなく『労働者派遣法』である。小泉が作った。何時でも雇えて、いつでも首を切れる非正規労働者は、雇用者にとって都合の良い制度である。これまで企業は製品販売などだけではなく、労働者の雇用を通じて社会貢献してきた。派遣法は明らかに、労働基準法に抵触する制度である。
デフレの原因である安い賃金を改正しない限り、デフレ傾向は収まらない。お金をたくさん刷って市場にバラマキ、大量の国債を発行して刷り増ししたお金でそれを買い戻すのが、現在日銀のクロトン(黒田東彦)がやっていることである。ちょっとデフレ傾向にあるなどとは、日銀のデフレの自作自演である。
世界20位以下になった労働者の賃金を上げることが何よりも、デフレ脱却にもなる。それでは資本の側が儲からない。社会は不安定の方が、派遣法が機能する。派遣労働者は、医師や通訳や高度技術者など、特殊技能者を特定期間必要とする時のためのものである。雇用する側は、雇い入れる労働者を安定して雇い、社会的地位を与える義務がある。それが企業の社会的貢献であり責任である。競争だけを優先させ企業に利する制度を、手を変えてまた今国会に自民党は提出する。
安倍政権は労働者のことなど考えていないのである。
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