そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

今年は「世界土壌年」です

2015-01-22 | 環境保護と循環
今年はFAO(Food and Agriculture Organization of the United Nations :国際連合食糧農業機関)が決めた、「世界土壌年」(ISY2015)です。昨年は、国際家族農業年とし、世界各国に家族型農業の重要性と必要性を訴えました。安倍政権はこれを無視して、全く逆の大型農業
企業型農業への支援をするようになりました。
今年は、同じ流れで土壌年とし、世界各国に地球上を薄く覆う土壌の必要性と重要性を見直すように活動をします。FAOは土壌の必要性を次のように訴えています。

〇健康は、土壌は健康な食べ物の基礎になる。
〇土壌は、人々に食料、繊維、燃料、医薬品等を培ってくれる。
〇土壌は、この星の生物学的多様性の基礎となるものである。
〇土壌は、気候変動の炭素サイクル(循環)のカギを握る。
〇土壌は、水を保全し干ばつと洪水から守ってくれる。
〇土壌は、食の安全と私たち人類の持続的未来のために欠かすことのできない、根源的なものである。

都会の人たちは便利さのために、大切な土壌を人工物で覆い尽くしてしまっている。僅かに、ビルの屋上などに人工的土壌を設けているが、こうした人々の生活にとって重要な土壌をどれほど実感していることであろうか、甚だ疑問である。
そうした都会の人たちが、食糧の自給率の低下を実感せずに、危機が迫ることを実感しないのではないかと思われる。

FAO事務局長は、「今日、世界では8億人以上が飢餓と栄養失調に直面している。増加する人口を養うためには、現在の食料生産をおよそ60パーセント増加する必要がある。食料の多くは土壌に依存しているので、それを健全かつ生産的に保つことがいかに重要かは容易に理解できる。残念ながら、世界の土壌資源の33パーセントは劣化している。人類が土壌に与える圧力は臨界極限に達しており、土壌の本質的な機能を減少させ、時には消滅させている。 」と述べている。
生命の基本となる、土壌のことを考えていただきたい。攻めて、今年いっぱいは土壌のことについて、機会がある度に本ブログに書き続けたいと思う。
コメント (1)
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