そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

「日本農業は過保護だ」というデマゴギーを掲げて、食料の海外依存率を高めてきた

2024-08-25 | 農業と食
上の表は、日本の食料危機を訴える東大の鈴木宣弘先生の示されたものである。この半世紀の日本予算の推移である。国の総予算は14.4倍に膨らんでいるのに農水予算は僅か2.3倍にしかなっていない。国家予算に占める割合は、11.54%から1.83%と激減している。つまり農水予算は、この半世紀で七分の一に削られているのである。
この事実を誤魔化すために、「日本の農業は過保護だ!」という、デタラメキャンペーンである。事実は全く逆である。
その一方で、安全保障をうたい文句に防衛予算は驚異的に増えている。農水予算の半分だったものが、今や10兆円規模で18倍にまで膨らんでいる。日本の安全保障は食料を放棄し、軍事に特化したものである。ちなみに再生可能エネルギー(太陽光発電)からの電力買いとりで事業者に払われている金額だけで4.2兆円で、それだけで農水予算の2倍である。
通常の国家は軍事・食料・エネルギーが国家立の三本柱とされているが、日本はヒトの生命を支える最も重要な食料を外部に依存しているのである。
この表からも一つ教育予算の減額が目につく。農水予算のほぼ半量で減らしてきているの教育費(文科省予算)である。
農水予算と教育費には大きな共通点がある。農家を支援するためにはと、道路が立派になり意味不明の公民館や交流施設がどんどん農村に作られる。教育に予算を使うためには、ドンドン立派な校舎や体育館が建てられる。つまり、農水予算は農家に届く前に土建屋にすっかり吸い上げられるのである。教育費も同じである。教員や教育体制より土建屋に優先して予算が使われるのである。本来の予算の使い方というより、政治的に予算が使われると言って良い。土建国家日本は教育と食料を食い物にしているのである。
このままでは食料医給率はもっともっと下がる。

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