そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

水が運び拡散し集積する放射能物質

2012-06-12 | マスコミ報道

放射能は、水で集められ泥に集積するようである。NHKが震災直後から追い続けている「ネットワークでつくる放射能汚染地図」も、6回目になった。

考えてみればその通り、当然の結果であるが、時間が経つと放射能は水で洗われ、川の汚泥などに留まってる。

人々は盛んに”除染”をするが、目の前から放射性物質を、動かすだけである。小出氏は、移染と呼ぶに相応しい行為で、場所を変えるだけであると断じている。水で洗い流された放射性物質は、川に流れ込む。

福島原発がまき散らした放射能であるが、均等に周辺に降り注ぐものではない。ましてや同心円状に広がることはない。風や雨などの天候や地形の影響で、まだら模様に広がる。ホットスポット(すでに懐かしい言葉となっている)は、川辺にできている。

しかも上流の緩やかな流れのところや、下流の汚泥にたくさん含まれている。国は当然のように地表ばかりを検査し、”ジョセン”する。NHKの質問には、今後の対応と素っ気にない返事が返ってきている。

深刻なのは、阿賀野川や阿武隈川の魚で生業をしている人たちである。さらには山奥の池でも同じことが起きている。山に降り注がれたセシュウムは、雨によって移染されて、湖に留まる。チップ漁ができず、生計が成り立たない。

阿賀野川はかつて、水俣病(水銀中毒)の経験を持つ地域である。水銀同様に、セシュウムも汚泥に付着しているのである。

日本の7割は山地である。ましてや地方ではそれ以上の森林面積になる。そしてそれらは、川の源流域となるところである。山地のセシュウムは、川に集まり池や川底に集まる。

国はこうした点在する汚染と、水により運搬され蓄積された、もしくはこれからもされることになる、放射性汚染物質をどのように処理するつもりなのであろう。

そして、このような単純で基本的で、最も住民とかかわりのある汚染すら、目途が立っていない状態での原発再稼働は、決して、ドジョウ氏の言う「国民のため」になるとは思えないのである。

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