最早どこが緊急事態宣言されていて、まん延防止とやらがどこなのかわからない。次々と各知事から要請されてそれを受けるしかない、菅義偉首相である。どこがいつ認定されていつまでなのかもわからないし、どこがどうして宣言対象になっているかもわからない。
沖縄と北海道が緊急事態の対象になっているのは、ゴールデンウィークにわんさか都府県から旅行客がやってきている。過疎地北海道は今日新規感染者727名(札幌市427名)と国内最高で人口20倍の東京都をも上回っている。都会を離れようと北へ南へと大移動があったためかと思われる。変異株を持って。
北海道も緊急事態宣言の地域になっているが、知事の要請でやっと渋々認めたに過ぎないが、それとて2週間だけだぞと言う条件付きである。それが半分過ぎて国内最高の新規感染者である。沖縄については自助努力が足らなとばかりに数日送らせて、渋々感がたっぷりである。
菅義偉は、五輪開催の亡霊に怯えながら、判断ミスを繰り返す。しかも全くそのことに気がついていない。何を問われても、五輪開催については官僚論文、「選⼿や⼤会関係者の感染対策をしっかり講じ、安⼼して参加できるようにするとともに、国⺠の命と健康を守ることが開催にあたっての私の基本的な考え⽅だ」の全文か、一部を繰り返すだけである。国民の命と健康を守るなら、現状認識を他人(都道府県)任せでウロウロし、渋々認めてやるようなチョロ出しの判断などするべきではない。
選手受入れのホストタウンが59あるが、国は選手との交流を非接触で行えとか、個室を使い移動は車両でと基準を出して、次々と辞退する自治体が出てきている。選手との交流が実質的にできないのだから、招致の意味をほとんどなさない。選手が封鎖状態では、経済的なメリットすらなくなってしまう。
こんな中こIOCのジョン・コーツ調整委員長は、「緊急事態宣言下でも開催可能である」と見解を出している。ほぼ他人ごとである。IOCは都内の長一流ホテル5つの全館を買い取りご満悦で、オリンピック開催を迎えることになる。菅は大そうお喜びである。上図ように一向に減る気配などない。
もうIOCも国も、オリンピック・パラリンピック開催に緊急事態宣言下でも仕方ない、ワクチンの普及などとてもじゃないが夢のまた夢である。それでもオリパラ開催する勇気には感服する。国内で最高6万件のPCR検査を、毎日選手村だけで10万件近くやるとする机上論に感服する。様々な変異株を持った選手団を狭い日本の一カ所に集める勇気に感服する。政治がこの国を壊す音が聞こえるような気がする。