そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

恩赦は違法行為である

2019-10-23 | 平和憲法

昨日はどこもあまり見たくない天皇即位の行事の放送で、溜っていたビデオをゆっくりと見ることができたとても良い日であった。国内のキリスト教の団体が、この即位行為を国費で賄うのは違法行為だと記者会見した。多額の公金を支出することは「宗教儀式に国が関与することになり、憲法の政教分離原則違反にあたる」と主張し、抗議する意向を示した。報道はほとんどされない。日本国憲法は政教分離を原則としている。「日本が天皇を中心とした国家神道のもとで戦争を行い、アジアをはじめ世界の多くの人々の人権と平和を侵害した歴史への反省から生まれた。皇室神道にもとづく宗教的儀式への国の関与は、国家神道復活を意味する。国民も参加を拒めなくなり、信仰や良心の自由が脅かされる」と主張した。即位は皇室行事でありは天皇家が行うことであればそれでよいが、160億円もの国費を使うのは無駄以前に憲法違反といえる。

ところが、この日政府は天皇の即位に伴う「即位礼正殿の儀」に合わせて政令を公布、施行し、約55万人に恩赦を実施したのである。恩赦は違法行為である。法治国家がとる超法規行為である。55万人とは驚きであるが、それでも前回の即位に合わせた恩赦は250万人いたから今回はその4分の一である。その根拠も解らない。
恩赦とは司法権を行政権が侵犯し、時の政権が恣意的な内容で犯罪者を減免あるいは復権することである。皇室行事に合わせて行うのは、戦前に天皇が有していた恩赦権の名残であろうか。
『恩赦の存在理由について、恩赦制度審議会の最終意見書によると、「法の画一性に基づく具体的不妥当の矯正、事情の変更による裁判の事後的変更、他の方法をもってしては救い得ない誤判の救済、有罪の言渡しを受けた者の事後 の行状等に基づく、刑事政策的な裁判の変更又は資格回復」を列挙している 。』(Wikipedia)
「他の方法をもってしては救い得ない誤判の救済」を、行政が行うのが恩赦である。司法の判断は間違っていたと行政が、時の政権が行う行為である。判断を協議するあるいは審議しているわけでもない。公開されているわけでもない。
恩赦は時の政権に従順な犯罪者が服役中に、たまたま皇室行事に出くわした時に受ける恩恵である。法の下での平等性もあったものでない。選挙違反が減免の対象になることや公職に就く人たちの復権が多いが、死刑囚は対象になっていない。ここでも平等性が担保されてるとは言えない。

コメント (4)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 八ッ場ダムが東京を救ったと... | トップ | アメリカの中東撤退を喜ぶプ... »
最新の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (名梨さん)
2019-10-23 12:00:00
恩赦は違法行為ではありません。日本国憲法第7条及び第73条にもちゃんと明記されています。

どうしても恩赦を廃止したいのなら、有権者と議員を説得して憲法改正するしかないですね。
返信する
Unknown (ここ)
2019-10-23 22:16:18
名梨さんへ
だったら平等にやるべきであろう。これこそ連合軍が加えたものである。
返信する
Unknown (名梨さん)
2019-10-24 07:15:05
戦力不保持と交戦権否認の第9条はGHQからの押し付けではないが、同じく日本国憲法で認められている恩赦は、GHQからの押し付けだと仰るつもりですか?それはとんでもないダブルスタンダードっぽいですね。

後恩赦は別に皇室のイベントの時だけに降りるものではなく、受刑者本人の申出に基づき、審査機関が個別に判断する常時恩赦も年間数十件程度降りています。

そして死刑囚に対する恩赦減刑も現行憲法下で24件降りています(政令13件、個別11件)。
返信する
Unknown (そりゃないよ獣医さん)
2019-10-24 09:55:03
貴重なご指摘ありがとうございます。
憲法が規定するのは、「大赦、特赦、減刑、刑の執行の免除及び復権」であります。現在行われているのは、恩赦という大権を有する者が一律に有罪者に対して行う、臣民が授かる贈り物なのです。
法務省が中央更生保護審査会の意見を聴して「行う減免処置は、個別の案件に対して評価して、仮出所など減免を与えるものであって、一斉に一律に与える恩赦とは似て非なるものです。
ただ、表題は不適切であったかもしれません。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

平和憲法」カテゴリの最新記事