そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

世界貿易を真剣に考えて

2009-09-12 | 緊急事態法

民主党がFTAについて深く考えていなかったことが、選挙期間中に発覚した。国際貿易の犠牲になるのはいつも農業である。少なくとも我が国では、商工業優先政策を享受しているために、農業はいつも犠牲になる。そのために、FTAは言われるままで構わない、農家には金を出しておけばそれでチョン、とは小沢一郎の考え方である。

農業は国際貿易に晒すと、どの国も年によっては大変なことになる。それを実感しているのが、現在日本に2国間交渉を強く迫っているオーストラリアである。http://www.theaustralian.news.com.au/business/story/0,28124,26004280-5018010,00.html

彼らは、中国の攻勢にあって追い詰められている。農業大国オーストラリアは、中国からのエビ、カリフラワー、リンゴ、ナシ、ニンニク、エンドウ、ピーナッツなそ08年は07年比35%も増加している。ニンニクの90%が中国産である。価格は国内の4分の1である。今や「食糧安全を憂慮する事態になっている」と野菜生産団体は発言している。どこかで聞いた台詞である。

中国輸入品の安全性や、環境問題も取りざたされている。特にエビは国内ないウイルスをのまん延を恐れている。養殖基準も問題があると訴えている。そんなことは解り切った話である。オーストラリアに、日本の車を売り込みたい人たちが懸命にFTA交渉の妥結を促す。オPhotoーストラリアから鉄や石炭を無関税で輸入してもバランスが取れない。肉や乳製品を買わなければならないというのである。

自らが中国の脅威にさらされておきながら、日本には同じ台詞を吐かせないのは勝手な話Photoである。農産物を価格だけで捉えるから、交渉自体がおかしくなるのである。WTOの理念は、27年前のウルグアイラウンドに根拠を置く。この間に、東欧諸国は崩壊し環境問題、食糧問題、地球温暖化がより一層激しくなってきた。

効率ばかりを求める生産体系が、様々な問題を引き起こしている。民主党も自民党もこの点には変わりない。多くの報道機関も同じである。世界貿易にあっても同じである。貿易に当たっての効率とは価格である。価格だけであると断言してもかまわない。

日本は、食糧を遠い海外から大量に輸入している。それらに係わる温暖化への問題や価格の吊り上げ作用など全く考慮されることはない。フードマイレージが日本は断トツに高いが、木材はさらに深刻な状況にある。

世界貿易の在り方を真剣に考え直し時期に来ている。FTAといえば、交渉内容にばかりが取りざたされる。その交渉も騙しあいばかりである。アメリカなどは補助金支出を良いように隠していたりして農家をしっかり保護している。正直者の日本は明けっ曝しのままである。食糧や環境について考慮する時期になっている。

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