人間にしろ政策にしろまるっきり行き詰った感が強い、菅義偉である。ここにきて、総裁選に向けて奇手をうってきた。
岸田文雄候補のスローガンのパクりである。岸田派党三役は1年1期連続3年までと、明らかに5年居座る二階俊博を意識して、党の新陳代謝を国民に見せたいと訴えたのである。これに対して菅義偉は、二階を下す人事に加えて、閣僚の一部を手直しまでするというのである。しかも総裁選前に党内人事に手を出す異例のことである。
党内の中堅若手が岸田に流れるのを断つ目的はこれで果たすことができよう。解散は任期まで待つというのである。総選挙は12月近くになる。勝つためには、権限を最大限使っての狼藉行動である。
菅が考えたと思えないが、奇策であり妙手でもあろう。二階も潮時と思ったのでろう。ところで、安倍晋三の計らいで河井案里に渡した1.5億円は一体どうした。資料が検察に行っているから答えられないと逃げていたが、6月末には党に戻っているはずである。マスコミは黙したままである。
この1.5億円の金を幾度か広島銀行に卸に来たのは、山口の安倍晋三事務職員であったことを、祖父が頭取だった岸田は掴んでいると思われる。
安倍晋三はどういてもこのことを封じたいが、岸田派やらにだろうが二階は脅しに浸かっている可能性がある。安倍の動きが総裁選に向けて慎重なのはこのことが関係しているであろう。
幹事長を変えて閣僚の一部も変えるとのことであるが、これは閣僚の誰かを幹事長にするということである。安倍の子飼いの萩生田光一の可能性が高い。教育勅語を妄信する加計学園の影の功労者である。
国会開催に応じないのは憲法違反であるが、自民党幹部は昔から政治より政局、権力争いの方がお好みである。
党人事のことにしても、アメリカがアフガニスタン撤退の大きなニュースにぶつけての発表である。二階俊博は案里への1.5億円を誰が決めたか、どこに使ったか、安倍に渡った分をどうしたか説明しなければならない。