昨年12月から一月以上かけ、「自民党派閥政治資金パーティー問題」の検察捜査が、全国から集められた100人を超す異例の大規模捜査体制で行われ、相当数の議員が立件起訴されるものと思われた。
ところが「裏金議員」3人が起訴・略式起訴され、会計責任者の起訴・略式起訴だけにとどまった。起訴された一人だけが辞任し公民権の停止を受け、残りの起訴された2人についても、公判が開かれる見通しも立たず、事実関係は全く明らかになっていない。どうやら検察は三千億円で線引きしたようである。その意味が良く分からない。金額の多少は関係なく犯罪は均しく起訴されるべきである。司法がその犯罪性の軽重を判断するべきであるが、恐らく100に及ぶ人数に恐れをなしたのか、もしくは安倍派に限定されていることから、3千万円で線引きをしたと考えられる。日本の司法は独立していない。
それでは自民党は裏金問題の究明に何をしたかというと、先ずは申告制のアンケート調査だけである。これを自民党は4月になって、党紀委員会が裏金議員39人に対して離党勧告から戒告までの処分を行った。単なる不記載であり納税についても透明性などについても何の論議もされていない。明らかに幕引きを狙った一件落着を狙ったものである。
政治資金規正法違反で起訴された安倍派の代表兼会計責任者の松本淳一郎氏の公判でも、政治資金収支報告書に記載していたと述べるだけで、「裏金問題」の経緯、意思決定のプロセス等の具体的な事実関係は何一つ明らかにしなかった。特に松本が大きな力があったという発言の内容は伏せたままで終わった。
結局、裏金問題の真相は全く明らかにされることがなく、裏金問題への対応が全く不十分なまま解散総選挙が行われる。
自民党は政党助成金を献金をなくすため設けられた160億はそのまま入手し、事実上の政治献金をパーティを開いて入手し、しかも全く報告もない闇の金としてポケットに入れたままである。
石破茂は相当数非公認をすると言ったが、非公認が9名で比例区に名を連ねない候補34名であるが、実際は多くはそのまま素通りである。もっと汚いのは公明党であるがそれぞれ2名と30名を公認している。選挙は勝てば良いのだという思想である。与党はなんとしてもその甘みを失くないのだろう。
結局、裏金に余程怒っている人たちも、おらが先生になると投票する、そうしてうやむやに終わって、自公政権は傷つきながらも残っていくのだろう。