イマジネーション・トレーニングの日記〜わたしの藝と稽古の記録

パターンやイメージを探求するために絵を画いています。

「道の脩養」としての「方法論」について

2022-01-26 11:10:35 | 日記



おはようございます。

連載「イマジネーション・トレーニング法」の時間です。

よろしくお願いします。

今回は、

以前から、ずっとわたしが言ってきた「藝と稽古」、ないしは「藝の稽古」という考え方、

つまり「方法論」について、

以前の記述と、若干かぶる可能性があり、

また以前の記述と若干違う部分もあるかもしれませんが、

ちょっとお話しようと思います。

以前、YouTubeで、仕事の「サイエンス」と「アート」の関係について

話されているものを拝見しました。

YouTubeでは、じゃんじゃんいろいろなコンテンツが配信され、

いまとなっては誰の言ったことか、確認しようもないのですが、

ビジネスにおける「サイエンス」と「アート」の問題を扱っておられました。

非常に興味深いと感じました。

実際の場でほんとうに必要なものは「アート」であり、

わたしの言葉では「藝」なわけです。

あるいは「術」や「即興」といってもいいかもしれません。

人がみて簡単に真似できるものでは、

そもそも「アート」とはいいづらいわけです。

どうやっても真似のしようもない藝もあるでしょう。

しかし稽古の場では、

自分なりにあれこれする必要があるわけで、

そこで非常に役にたつのが「サイエンス」や「稽古」というものです。

これはすぐさま即戦力になるわけではないのですが、

要らないとは言えないでしょう。

いろいろな稽古の教養や経験を持っている必要があります。

自分であれこれやることが不可欠です。

そして「サイエンス」が「アート」と結びつくあり方は、

まったくひとそれぞれで

ようするにそれは完全に「自分なり」です。

そして最終的にできあがる「アート」や「藝」も

完全に「自分なり」です。

つまり自分の個性を見つめて活かすということが

「藝の稽古」といってもいいのではないかと思います。

そうなるとこれは「道の脩養」ということにぐっと近づいてくると思います。

つまり絵を画くということを通して

ささやかな「自己完成」を目指す道があると感じています。



そしてわたしのこのささやかなブログも、ついに30回目だそうで

見ていただいている皆さんには

深く感謝する次第です。



ではまた、次回お会いしましょう。



( つづく )

ブックレビュー 「メモワール法」をめぐる讀書

2022-01-13 18:40:22 | 日記


おはようございます。

連載「イマジネーション・トレーニング法」の時間です。

よろしくお願いします。

ここで「イマジネーション・トレーニング法」や「メモワール法」の、

理解の役に立つ本を二冊ほど紹介してみたいと思います。

わたしはこれらの本に出会ってインスピレーションやアイデアを受けましたし、

強く精神的な支えを受けているとも感じます。

偉大な先人の著作です。

「わたしとは違う形でのメモワール法」という

「別流儀」に強く興味がある方におすすめします。

また自分なりの方法をここで組み立てたいという方にも大きな示唆を与えると思います。

わたしが彼らから受け取った「アイデア」や「啓示」を

ちょっとずつ書いておきます。

○「知的生産の技術」

梅棹忠夫、岩波新書、1969年

メモワール法(のような技法一般)を「知的生産の技術」と定義したのは梅棹忠夫先生で

名著「知的生産の技術」が、岩波新書にあり

これはぜひおすすめです。

Kindleの電子書籍にもなっています。

概論から始まって、

「発明の手帳」、「京大式カード」の紹介、

情報の整理法、

本の読み方、文章の書き方、手紙や日記の方法論

原稿や文章の技術、

など、

いろいろ興味深いアイデアが詰まっています。


「ローマ字タイプライター」の利用法などは、現在から見てかなり古い技術ですが

ワープロとは要するに「電子タイプライター」で、

わたしとしてはそういう一個一個のテクノロジーを超えた、

古今を貫通する「テクノロジーの本質」に迫った名著だと思います。


○倉下忠憲、著「すべてはノートからはじまる」

星海社新書 2021年、

「Apple ID乗っ取り」の前後にであって、

精神的に強く励まされた本です。

倉下先生は現在、「デジタル・ノート」のジャンルで多く著作をされていますが

ここではあえて「アナログ・ノート」という観点から

この本を出発されており、

要するに紙のノートですることと、

デジタル・ツールですることは

本質的な共通点がかなり多いというアイデアをはじめに学びます。

この本の要約はかなり難しいのですが、

デジタル・ノートや、アナログ・ノートの区別以前に

「ノート(記録)」というものはそもそも本質として何か?

また、どういう可能性を秘めているか?

というテーマをさまざまな観点から、

懇切丁寧に紹介してあり

また具体的なアイデアがたくさん「技法」として紹介されています。

またここで、「現代におけるアナログ・ノートの価値」という立場での表明もされているように思われます。

これはわたしも賛成です。

おそらくこの本も古典的な名著になるのではと感じます。

この本にも電子書籍版があり、

「記録」の形而上学に興味がある方におすすめです。

○倉下先生が現在、ネット活躍されているものをちらほら拝見して

わたしなりには

このほかに、「デジタル・メモワール」の技法として、

「テキストエディタをメモワール法に使う方法」

「Dropboxにデータを置く方法」、

などの具体的な技法をYouTubeで学び、

それらもまたおすすめします。

興味がある方は調べてみてください。


〇「ノート」、「記録」というテクノロジーや

「コンピュータ」というテクノロジーの本質 

ということを、

この二冊の本が強く考えさせて、

つまり技術書であると同時に思想書の性質を持っていると感じます。


○ここでわたしとしては

イメージやイマジネーションを、

どうデータとしては扱うか?

たとえば、

絵画イメージや音声データなどによって

わたしなりには何かができそうだと感じています。

それはたとえば「毎日の稽古」です。

ここからまたさらに「メモワール法」や「イマジネーション・トレーニング法」を

わたしなりに考えて行きたいと願っています。

ではまた次回お会いしましょう。


( つづく )

「コレクション概念」と「カテゴリー」や「グループ」について

2022-01-06 16:50:29 | 日記



みなさんおはようございます。

また、

あけましておめでとうございます。

連載「イマジネーション・トレーニング法」の時間です。


今回は

「イマジネーション・トレーニング」における「情報管理法」という切り口で

「イマジネーション・トレーニング法」や「メモワール法」を考えてみたいと思います。

稽古の経験が多くなり、

いろいろな作品や作品の断片が増えてきて、

そこで制作が混乱しないようにするには

あるいは、ふと新しいアイデアがうまれたときなど、

さまざまな形での「コレクション」(稽古全体)の内容を

小さく分類してゆく必要がおきて、

ここで、それを「カテゴリー」、あるいは「グループ」と呼ぶことにしたいと思いますが、

( わたしの中でどう呼ぶか迷いがあるわけですが、 )

ちょうどこれは

コンピュータでいう

「ストレージ」と「フォルダ」の関係になります。

つまり、「全体集合」と「部分集合」の関係です。

たとえば「アイデア・デッサン」は明らかに「カテゴリー」、「グループ」の一種だし

「アンソロジー」や「シリーズ」も一種の「カテゴリー」、「グループ」で

わたしは必要がおきた場合には「コレクション」の中に

任意の適切な「カテゴリー」を準備しています。

そして必要に応じて混乱がおきないように、

あっちの「カテゴリー」からこっちの「カテゴリー」へと

情報を分類しなおしたりもしますが、

その中にたくさんの「イマジネーション・デッサン」や「イマジネーション・メモワール」

、あるいはその混合体の素材や作品が

ぷかぷか浮かんでいる感じです。

たとえば

「円環の構成」「直線の交錯」、「曲線の構成」、「天下大道」、

「アイデアデッサンよりの展開」、「ルーティン・ワーク法よりの展開」、

「なぐり描き法よりの展開」、「ことばによる展開」などの

じつにいろいろの「カテゴリー」や「グループ」があります。

それは必要があるときコンピュータ内に

任意の適切な「フォルダ」を作るのとよく似ています。

つまり「イマジネーション・トレーニング法」や「メモワール法」の情報構造は

はっきりと数学の「集合論」や、

コンピュータ・サイエンスに学んだ部分がおおきくて、

「イマジネーション・トレーニング法」においては

「イマジネーション・デッサン」の内容(ファイル)や

「イマジネーション・メモワール」の内容、

その両者の複雑な合成物を内容として、必要ができたら好きなだけ、

それぞれ「カテゴリー」や「グループ」をつくって分類、区別、して考えることができます。

これはコンピュータで、「ワープロ」や「表計算」といった「ソフトウェア」の「ファイル」から形成された「フォルダ」を作ることに比較すると

非常にわかりやすいと思います。

そして、話しをさらに「メモワール法」にも拡張すると、

「ブログの原稿」もまた「カテゴリー」の一個でしょう。

その中には「個々のブログの記事」や「ブログのアイデア集」がぷかぷか浮かんでいるわけです。

そして「コレクション概念」とはそういう「カテゴリー」や「グループ」の

全体的な集合ぜんぶをいちおう指しているでしょう。

ちょうど「ルート・ディレクトリ」というものが

すべてのフォルダの樹状構造を統括しているようなものです。

そう考えるとわかりやすいと思います。

しかし現実世界においては

完全な「コレクション」を物理的、論理的に保管、管理することはかなり難しく

現実的には、「コレクション」すべてを扱えないケースもあります。

稽古をしてゆく中で

こういう「カテゴリー」や「グループ」を、

新しく、わたしなりに作りたいな、と思うことがときどきおきて

わたしはそのとき、だいたい、新しい「らくがき帳」や「クリアファイル」を用意しますが

これを非常に理屈っぽく書いてみると

理論的には、だいたいこんな感じになります。

わかりづらかったでしょうか?

ではそういう次第で、

改めて、

「連載、イマジネーション・トレーニング法」を

今年もまた、よろしくお願いします。



(  つづく )