イマジネーション・トレーニングの日記〜わたしの藝と稽古の記録

パターンやイメージを探求するために絵を画いています。

「かた」による稽古の試みについて

2022-05-22 17:45:54 | 日記

 
 
おはようございます。
 
みなさん、ご無沙汰しています。
 
連載「イマジネーショントレーニング法」の時間です。
 
ずいぶんと久しぶりの原稿投稿です。
 
さて、
 
わたしはいろいろ忙しくなって、
 
一時期、稽古をお休みしていたのですが、
 
稽古の場もまた、大きな転換期にあり
 
「メタ・ノート」というアイデアを
 
「イマジネーション・トレーニング」の中で、
 
もうちょっと生かすような稽古法はないかなと思っていました。
 
ここで実験的なこころみとして、
 
わたしが「かたによる稽古法」とよんでいるものがあります。
 
「かた」という概念は、
 
東洋の芸道では多くあり
 
「フォーム」という考え方なら
 
世界中の芸能に多く見られるものだと思います。
 
たとえば音楽の「曲」や「スタンダード」というものも
 
一種の「かた」だと思い、
 
そんなに厳密に考える必要はありませんし、
 
「かた」があった方が、いろいろと即興がやりやすいのも事実です。
 
わたしは「かた」や「パターン」として、
 
いままでに
 
「ベーシック・パターン」というものをずっと研究していて、
 
「ひとつのベーシック・パターン」を延々と稽古するシステムを
 
「ルーティン・ワーク法」という形にまとめています。
 
とは言っても
 
毎日毎日、この「ルーティン・ワーク法」をするというのはあまり現実的ではなく、
 
「殴り書き法」などと組み合わせるにしても
 
大きな限界があるという認識です。
 
ここでふと、
 
「いくつかの「ベーシック・パターン」を組み合わせて
 
もうちょっと複雑な形での「ルーティン・ワーク法」をしたらどうだろうか?」
 
というアイデアがおきて
 
実験しながらこれを若干研究しているところです。
 
まだはっきりしたことは断言できない段階ですが
 
「アプローチのひとつ」として、
 
これを公開してもいいのではないか?
 
という手ごたえを感じているところです。
 
わたしはいままで
 
内容的なものは極力公開を避けるようなスタイルをとってきて
 
「ベーシック・パターン」というアイデアについても
 
十分なご理解をいただいていないように感じています。
 
こういう点から見ても
 
「ある日の稽古」全体を、一回公開するのが
 
一番わかりやすいのではないか?
 
という考えに至りました。
 
わたしがここで取り上げる「ベーシック・パターン」は、
 
決して「絶対不変」の「ベーシック・パターン」とはとうてい言えず
 
短い時間にも出入りがあり、また「伝言ゲーム」のように
 
さまざまな展開、変容をしているものです。
 
そういう意味ではこれは「生きているかた」です。
 
また今日公開するのは
 
あくまでも「ある日の稽古」で
 
ほかの日にはほかの日で、べつの稽古をいろいろしていて
 
これが「稽古のすべてだ」というと、ちょっと違うと思います。
 
また「マチエール展開」などにより、
 
もうちょっと複雑な「展開」を
 
生み出せるはずで、
 
事実わたしはいま、稽古でそういう方向を歩んでいます。
 
そういう意味では、「かた」や「かた稽古」という呼び方は不適切かもしれませんが、
 
あるいくつかの「パターン」の集合体を
 
組み合わせて研究、探求する方法論のひとつとして
 
「かた」に興味がある方の参考になると良いです。
 
ちなみにこの稽古はある日の「今日の稽古」からの引用で
 
だいたいわたしは毎日の稽古の記録を
 
このような簡単な文章を記録として、
 
毎回つけています。
 
 
 
 
「今日の稽古」
 
今日は「ベーシック・パターン」の復習をして
 
「かた」による稽古法を考えていた。
 
これは武術や能楽、音楽などの方法や稽古法に
 
強くインスパイアされている。
 
音楽のライブとわたしの稽古は似ていると思う。
 
「スタンダード」というものが「ベーシック・パターン」に相当するだろう。
 
能楽の演目の組み立て方(序破急)とも、稽古は似ている。
 
 
 
 
「斬り」の稽古、直線の交錯
 
 
 
 
「テレホン」の稽古
 
ここのところ「テレホン」が出てきている。
 
 
 
 
「天下大道」より
 
「旋回」のモティーフ
 
 
 
 
ランダム・ウォーク
 
色は今日は塗るゆとりがない。
 
色を塗らないとマチエールとして
 
粗末な印象だ。
 
 
 
「マトリックス」の稽古
 
マチエールは黄色いネオピコの細い方
 
これは色を塗れば
 
かなりいい作品になるだろう。
 
色という問題では、いま迷いがある。
 
 
 
 
うねうね
 
すこし「ランダム・ウォーク」に近い
 
「曲線の構成」だ。
 
 
 
 
 
S字の構成、半月の構成
 
 
 
 
「ストラクチャ」の応用
 
ここのところこういう分散的なパターンとなっている。
 
どんどん出てくるパターンを追っている。
 
 
 
新しいパターン
 
直線の交錯と曲線の構成の間のような稽古だ。
 
 
 
 
 
「ゴツゴツ」の稽古、
 
新しいベーシック・パターンだ。
 
こういう新しいものが生まれるときは
 
はっきりなにと分類できないことが多い。
 
マトリックスの変形とも解釈できるだろう。
 
 
 
 
飛天のパターン
 
 
 
 
これも新しいユニークなパターンで
 
まだ名前がついていず
 
綺麗に分類できない。
 
 
 
 
はっきりと「直線の交錯」だが
 
「天下大道」にも近い
 
パターンのアナリシスは
 
音楽の楽理分析と同じで
 
これとはっきり言える場合と
 
曖昧なことしか言えない場合がある。
 
 
 
 
以前出てきたパターン
 
名前はど忘れしてしまった。
 
瓔珞、ようらく
 
 
○稽古にはパターンの「かた稽古」だけでなく
 
さまざまな「方法論」「アプローチ」から
 
バリエーションを作って稽古を作る場合もあり
 
その日ごとにけっこう多様だろう。
 
稽古がすっといかない場合には
 
このように「稽古法」をきちんと考える必要があり、
 
順調にいっている場合には
 
あまりそういう必要はなくて
 
さっさと稽古が進んでゆく。
 
稽古がマンネリにならないように気をつけている。
 
稽古は創造的な場である必要がある。
 
 
 
 
 
〇今回公開した稽古は
 
「完成度」としてはまだ不十分で、
 
参考として、
 
この日以降の稽古より、
 
完成作品をいくつかピックアップして、
 
補助資料としたいと思います。
 
システムエラーが出たので、
 
これ以上の投稿は
 
いちどには無理ということだと思います。
 
 
「S字」よりの展開
 
色は「ネオピコ」という色ペンで塗っている。
 
 
「ランダム・ウォーク」よりの展開
 
パステル、色鉛筆、ネオピコなどを
 
質感として使いわけている。
 
 
 
 
 
このパターンも「ランダム・ウォーク」からの展開で
 
「うねうね」というパターンからも
 
強く影響を受けている。
 
色ペンは珍しく、いちご色を使っている。
 
灰色はパステルで
 
中学生時代に学校で購入したものをずっと愛用していて、
 
地味な色のセットはすごく役に立つ。
 
 
「6字のパターン」
 
「わらびの子」と呼んでいた時期もあったが、
 
くるっと「6」の字のように
 
一端が面になっているので、
 
こう呼んでいる。
 
〇というわけで、
 
今回は「稽古」の内容的なものを
 
ずいぶんと公開しました。
 
ではまたつぎの原稿で
 
お会いしましょう。
 
(つづく)
 
 

稽古の「循環」について

2022-05-04 13:38:35 | 日記




おはようございます。

連載「イマジネーショントレーニング法」の時間です。

よろしくお願い致します。

さて、

ここのところ原稿がやたらと難しくなってきました。

どうしようかなと思っています。

稽古すること自体はさして複雑なことではないので、

やはりこれはわたしの説明の、力不足です。

それで補足的な原稿を用意してみてはどうかと考えて書いてみました。

わたしは先日「即興の円環」「稽古の円環」と書き

あれだけではよくわからないと思うので

今回はここのあたりをもうちょっと整理しようかと思います。




前回とりあげた「メタ・ノート」のプロセス、

つまりわたしの言葉でいうと「メモワール法」では、

いろいろな「コンテクスト」で、文章を

わたしは読んだり、書いたり、考えたりしているのですが

「イマジネーション・トレーニング法」となるともうちょっと複雑で

なぜかというと絵の形での作業がここにはいるからです。

さまざまなメモワールやデッサンの形、

つまり「イマジネーション・メモワール」や

「イマジネーション・デッサン」ですが、

その両方が協力して、

ここでもさまざまな「コンテクスト」の中で、大きく善循環してゆくように、

書いたり(画いたり)」、

考えたり

読んだり(見たり)していて

これを「稽古の円環」、あるいは「稽古の循環」とわたしは呼んでいます。


エクササイズすること

分析研究すること

制作すること

鑑賞すること

考えること

ここを巡っておきる、クリエーションの構造が稽古にはあり、

ちょうどこれは、四季や夜昼がめぐるようなもので、

そういう建設的な秩序の習慣をつくることが稽古というものです。

たとえば「今日の稽古」という、画像とメモワールの記録を稽古しながら、

毎日つけていることは既に書きましたが、

はっきりと具体的に考えるということでは

ブログ原稿を書く作業もこの大きな循環のなかにあります。





そして、できあがった作品を、眺めたり、また部屋にかざったりという

「鑑賞の過程」もあり、

それによっても、考えさせられるものがあります。

つまりそれは「鑑賞即稽古」、「稽古即鑑賞」です。


基本的にはパターンやイメージをこういう形で探求していますが、

大事なこととしては、

稽古はなにのためにするというわけではなく

自分のため

自分自身のささやかな「修養」のために稽古するという側面があり、

ただ単純に面白く楽しいというだけではなく、

 

これはやはり「藝の稽古」という言葉でしか言い表せない重要な部分だと思います。

 

そういうわけで、

今回は「稽古の円環」「稽古の循環」というものを

かなり丁寧に説明してみました。

 

それではまた、つぎの原稿でお会いしましょう。


(  つづく )