糖尿病と言ってもリリオーのことではない。
「お前の作ってくれる料理は味が濃い過ぎる。俺は糖尿病や」
「ええ？動脈瘤がどうのこうの・・・と言ってたけど、糖尿病もやったんか」
好き嫌い多い兄の事ゆえ、毎日・毎日何を作ろうかと悩まされ、また、リリオーは
アルコールを飲むので、煮物は薄味・砂糖は使わないがアルコール一滴も飲まない
兄だから少し甘めが良いかと砂糖を入れていた。
これは気遣いだったのだ・・・それなのに・・・偉そうにぬかしやがった・・・いや言葉が悪い
・・・言われました・・・いや敬語を使うことはない・・・言った。
あ・あ・あ・あ・あ・早く病院から帰ってこいよ、兄嫁さん。
あとで
「偉そうに言うてすまん。そやけどアカンねん」
頭を下げた。
「分かった。兄妹だから好きなこと言うても怒れへんし許したる。それに息子や息子の
嫁にはよう言わんやろうし」
ホンマに兄夫婦は子供に弱く・・・何もよう言わない。
夫婦二人とも倒れたら（半分以上倒れているようなものだけど）どうするんだろうね。
「人の心配せんと自分の心配せえ」
「ほっといて、一人は一人でやっていけるわ」
ナンダカンダ言いながら今日もスーパーに行ってきた。
豚ステーキにキャベツの千切りとキュウリの添え物、ホウレンソウのバター炒め、
ソラマメ、チンゲン菜とアゲの炊いたん、ジャガイモサラダ・・・糖尿病にダメなものは
あるか？と気にしながら、今日はこんなもんでどうや。
「俺、量はギョウサン要らんで、あんまり食べられへん」
「うるさい・わかったわ・トマトやナス、ニンジン食べや」
ホンデモッテ、毎日忙しく過ごしております。
（ちなみに兄の息子は大阪単身赴任（一人住まい）嫁・子供たちは東京におります）