「毛里求斯 モーリシャス」
モーリシャス共和国、通称モーリシャスは、イギリス連邦加盟国の1つで、首都はポートルイスと定められている。インド洋のマスカレン諸島に位置する共和国ながら、アフリカの国家の1つに数えられている。民族構成は多様だが、19世紀にサトウキビ農園の労働力として移入されたインド系住民が過半数を占める。
国名
正式名称は英語で Republic of Mauritius (リパブリック・オブ・モーリシャス)。通称 Mauritius [mɔːˈrɪʃɪəs, məˈrɪʃəs]。フランス語では République de Maurice (レピュブリク・ドゥ・モーリス)。通称 Maurice。モーリシャス・クレオール語ではRepublik Moris。
日本語の表記はモーリシャス共和国。通称モーリシャス。
言語
1814年以降から独立まで約150年にわたってイギリスの植民地であったため、公用語は形式上では英語であるものの、法的には定められていない。議会での公用語も英語だが、国民議会議員は誰でも議長にフランス語で呼び掛けて良いことになっている。英語とフランス語は一般的にモーリシャスの公的な言語として、政治、行政、裁判やビジネスのための言語として受け入れられている。モーリシャスの憲法は英語で書かれているものの、民法などの幾つかの法律はフランス語である。
学校の生徒は英語とフランス語が必修で、選択科目としてアジア系諸言語やクレオール語を学べる。学校での教育に用いられる言語は学校により異っている。ただ、通常はクレオール語、フランス語、英語である。
これらの言語の中でモーリシャスで最も話されている言語は、17世紀〜18世紀初頭にかけてのフランス領時代に発達したフランス語系統のモーリシャス・クレオール語である。モーリシャス・クレオール語は90%以上の国民の母語であり、日常会話として家庭などで話されている。ただしモーリシャス・クレオール語は、話し言葉主体であり、読み書きなどの教育は受けないので、読み書きや敬語的な表現などを用いた会話では一般的にフランス語を使用する。多くの新聞やメディアはフランス語であり、ビジネスでもフランス語が使用されるなどフランス語圏となっている。
また、多くの国民はモーリシャス・クレオール語、フランス語に加えて、宗主国の言語である英語も理解するトライリンガルであるものの、英語は学校教育を終えると日常生活では使う機会に乏しいために、読み書きはできても聞き取りや会話などは苦手な人も少なくない。そのため、アメリカ映画など英語で作成されたテレビ番組などは、フランス語に吹き替えられて放送される。その他、家庭内ではポルトガル語、ヒンディー語、タミル語、テルグ語、客家語、ボージュプリー語、ウルドゥー語、マラーティー語などが使われる。
モーリシャス人は状況に応じて使う言語を使い分けており、教育や職業的な場面ではフランス語や英語が好まれる一方、音楽、宗教、文化的な活動ではアジア系言語が主に用いられる。メディアや文学は主にフランス語である。
かつてはボージュプリー語を母語とする者も多かったが、その数は年々減少し、家庭でのボージュプリー語の使用は減っており2000年では人口の12%あったところ、2011年の統計では5%まで低下している。
*Wikipedia より