第243回 2020年1月14日 「足元をおしゃれに 気持ちよく~山形 履物~」リサーチャー: 春輝
番組内容
絹でできた高級品志向のスリッパ。日本一のスリッパ生産量を誇る山形県河北町で開発された。格式のある日本旅館などから注文が相次いでいる。また同じ山形で、女性向けのオシャレな下駄や、履き心地抜群の草履が作られている。実は、明治時代から山形の草履は全国的に知られている。理由は履いたときの気持ちよさ。編み上げた草履に熱と圧力をかけることで生まれる効果だ。また、女性向けのカラフルで姿勢がよくなる下駄も紹介。
*https://www.nhk.or.jp/archives/chronicle/detail/?crnid=A202001141930001301000 より
1.豊国草履(軽部草履)
寒河江市や河北町は、昭和始めには全国一の草履表の産地でした。
「軽部草履」の始まりは、今から100年以上も前の大正2(1913)年。
当時の山形県村山地方には草履業者は数え切れない程あり、「軽部草履」は家族のみの小さな個人事業に過ぎませんでした。
しかし現在、 手編み草履の生産を行う事業者はわずかで、「軽部草履」がその95%以上を担っています。
「軽部草履」は日本の伝統を足元から支えるべく次世代に継承するため若手の育成にも尽力しています。
また近年、幻の品種「豊国」(とよくに)を栽培して、その稲藁を使った草履作りを開始しています。
商品には、山形伝統の稲藁節草履「豊国」の他、良質な竹皮を利用した草履「竹粋」や「わらじ」、更には織田信長も愛用したという「足半」(あしなか) まで作っています。
軽部草履 山形県寒河江市中央工業団地51
2.かほくスリッパ
<山形県スリッパ工業組合に加盟するスリッパメーカー>
阿部産業株式会社
タカナシスリッパ
株式会社後藤
河内スリッパ
有限会社タキザワ
軽部草履株式会社
全国から注文が殺到する2万円の最高級スリッパ「KINUHAKI」(阿部産業)
大正8(1919)年に、草履の仲買いとして創業を開始した阿部産業。
昭和40年代に、室内履きの製造を始めました。
現在「山形県スリッパ工業組合」では中心的な役割を果たしています。
創業99年目の平成30(2018)年に「スリッパ」という言い回しを「ホームシューズ」と改め、” 家に帰ったら、ゆったりとした時間を過ごしてほしい”との想いから、自社開発のオリジナルファクトリーブランド「ABE HOME SHOES」を誕生させました。
「ABE HOME SHOES」の 1作目
「BABOUCHE(Canvas)バブーシュ・帆布」は強度・耐久性に優れ、 通気性の良い帆布(=キャンバス地)素材のものです。
しっかりしていながらも足馴染みが良く柔らかで、使い込むごとに更に柔らかくなっていきます。
冬は「ボア」
裸足で履く「室内用草履」は、足の疲れをリセットしてくれます。
洗濯機で洗えます。
麻のスリッパ「さふら」は、ふわりと足を包み込んでくれる優しい履き心地です。
格式のある日本旅館などから注文が相次ぐ、絹でできた高級品志向のスリッパ「KINU HAKI」
「KINU HAKI」は、 工業技術センターとの共同研究し、「紅花」と「かほくスリッパ」と「米沢織り」の出会いから生まれた袴地仕立ての室内履きです。
米沢織り職人(神尾織物)が丹誠込めて織り上げた最高級の絹を使った袴地を、日本の生活文化の中で育まれた美しい所作をイメージして「たたむ・仕舞う・携える」をテーマに室内履きに仕上げました。
「神尾織物かんおおりもの」
現在、市場で販売されている礼装用男袴の95%近くは山形県米沢市で生産されている「米沢平袴」です。
平成21(2009)年には「グッドデザインアワード」で「日本商工会議所会頭賞」受賞。
同年には「山形エクセレントデザイン奨励賞」も受賞しました。
他にもロンドン在住のデザイナー・和井内京子さんが「米沢織り」の「袴地」をもって生み出した「HAKAMA JITATE」は平成23(2011)年に「山形エクセレントデザイン」の「エクセレントデザイン大賞」受賞しています。
「心地よく軽快なはき心地」、「シンプルで楽しいスリッパ」コンセプトの「HaWrap」もあります。
*https://omotedana.hatenablog.com/entry/Ippin/Yamagata/hakimono より
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