「鮫のすくめ」
主な伝承地域 津軽地方
主な使用食材 サメ、大根またはキャベツ、ねぎ、酢、味噌
歴史・由来・関連行事
「すくめ」の語源は「酢で包む」。津軽地方で「すぐめ」と発音する。津軽地方では縄文時代の遺跡調査からサメを食べていたことが分かっており、地元の食文化とサメは切っても切れない関係である。特にアブラツノザメは県内のサメ漁獲高の9割を超え、今でも鮮魚店の店頭には切り身や頭が普通に見られる。「鮫のすくめ」は、湯がいたサメの頭の身をほぐし、熱々の状態で大根またはキャベツとともに酢味噌で和える料理で、食糧が貴重だった時代に、サメを残すところなく食べるために考案されたといわれている。お正月料理としても欠かせない一品であり、地域によって大根おろしと和える場合もある。すくめの他、サメは飯すしや刺身、お吸い物、なます、煮付けなどさまざまな調理法で食べられてきた。
食習の機会や時季
主に正月料理として食べられている。サメの淡白な味わいが酢味噌によく合い、大根またはキャベツのさっぱりと甘い風味とも相性抜群。サメは臭みの強い魚と考えられがちだが、漁獲後すぐに処理したものはほとんど臭いがなく、現在でも津軽地方ではスーパーマーケットや鮮魚店で販売され家庭になじみがある。
飲食方法
本来はサメの頭の部分を使う料理。頭をゆでて熱いうちに身をほぐし、軟骨も含めて食べられる部分を取り出して、酢味噌で味付けをする。淡白なサメの身と、大根またはキャベツの爽やかな甘み、軟骨のコリコリした食感が美味しい、他では味わえない珍味である。
保存・継承の取組(伝承者の概要、保存会、SNSの活用、商品化等現代的な取組等について)
地元の観光振興などを行う団体が地元住人に親しまれている海産物として名づけた「七子八珍」の中にサメが入っており、食材として官民を挙げて盛り上げている。またウェブサイト「津軽料理遺産」でも「鮫のすくめ」を後世に受け継ぎたい料理として認定し、伝承に務めている。
*https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/sameno_sukume_aomori.html より
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